ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ

植物名 トウガラシ
品種名 ピリピリ(キダチトウガラシの栽培品種)
地域 埼玉県 場所 ベランダ 栽培形態 鉢植え
日当たり 日なた(半日) 満足度
ジャンル

栽培ストーリー(わたしの育て方レポート)

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ

作成日:2018/08/10
最終更新日:2018/11/07

ポルトガルに滞在中のある日、お隣のお婆さんから小さな唐辛子をたくさんもらいました。それがピリピリpiri piriです。往時を偲び、日本でも育ててみようと思い立ちました。

  • ピリピリの種(0日目)

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  • ピリピリの種(0日目)

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  • ピリピリの種(0日目)

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  • 根が出た(4日目)

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  • あと少し!(9日目)

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  • 双葉が開いた(10日目)

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  • しっかりとした双葉に(11日目)

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  • LEDで補光(12日目)

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  • ようやく本葉が見えてきた(15日目)

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  • 本葉3-4枚目が見えてきた(28日目)

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  • 苗らしくなってきた(35日目)

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  • ポットサイズをアップ(49日目)

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  • ポットサイズをアップ(49日目)

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  • 花芽を確認してから定植(65日目)

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  • 花芽を確認してから定植(65日目)

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  • 蕾が成長中(77日目)

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  • 開花!(83日目)

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  • 開花1週間後の草姿(90日目)

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  • 支柱立て(107日目)

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  • ようやく着果(111日目)

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  • 私的ベストショット(146日目)

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  • 赤い実が増えてきた(154日目)

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  • 赤い実が増えてきた(154日目)

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  • 初収穫!(160日目)

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  • ピリピリの色変化(161日目)

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  • 小さな木になりました(188日目)

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  • 小さな木になりました(188日目)

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  • 小さな木になりました(188日目)

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  • 3回目の収穫(191日目)

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  • まだまだ元気(255日目)

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1.ピリピリの種(0日目)

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ ピリピリの種(0日目)
ピリピリというのはトウガラシの名前です。正確には「トウガラシ属キダチトウガラシ」の栽培品種で、あの沖縄の島唐辛子や、タバスコソースの原料として有名なタバスコペッパーの仲間です。漢字では「木立唐辛子」と書きます。多年草で、成長するに従って灌木化することからこのような名が付けられました。英語では African Birds Eye や African Devil といった別名もあります。

2.ピリピリの種(0日目)

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ ピリピリの種(0日目)
このピリピリは、アフリカ南西部のモザンビーク・マラウィ・ザンビア・ジンバブエといった国々が産地です。ただ、キダチトウガラシという種自体はアマゾン川流域の低地が原産なので、ブラジルを開拓したポルトガル人によってアフリカ南西部に持ち込まれたものが野生化したと考えられています。ちなみにブラジルのキダチトウガラシはマラゲータ malagueta と言います。

3.ピリピリの種(0日目)

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ ピリピリの種(0日目)
2018/02/25
催芽を開始。手順は以下の通り。
①水で湿らせたキッチンタオルを皿に載せてラップをかけ、レンジで2分加熱して殺菌。
②温度が30℃ほどまで下がったら、水浸してあった種をその上に広げる。
③遮光用の新聞紙を載せてから、自作の簡易保温器(電気毛布とサーモスタットで温度管理)に収め、「昼間14時間は28℃→夜間10時間は20℃」で変温管理。
④1mm~2mmほど発根するまで待つ。

4.根が出た(4日目)

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ 根が出た(4日目)
2018/03/01
催芽を始めて4日目に根が出てきました。まだ1mm未満です。これ以上伸びて移植のときに傷めてしまわないように急いで播種しました。播き床は、市販の土ポット3つとプラポット3つに入れた市販の種まき用土を用意しました。

種は画像と同じ状態を保って横に寝かせて播きました。そうしないと出芽時に殻を付けたまま出てくる可能性が高いからです。覆土は3mm-4mmほどにしました。

5.あと少し!(9日目)

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ あと少し!(9日目)
2018/03/06
双葉のお目見えまであと一息です。頑張れ!

6.双葉が開いた(10日目)

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ 双葉が開いた(10日目)
2018/03/07
本日、無事出芽しました。ふつうのトウガラシ Capsicum annuum の芽よりも子葉が小さく胚軸が長めで、タバスコや島唐辛子の芽とよく似ています。色合いもキダチトウガラシ独特の感じ。

今年は種まきがうまくいかないことに加え、説明に発芽率が低い(15%~45%)と書かれていたので多めに播いたんですが、予想外にしっかり発芽してくれて現在6株もあります。うーむ、困った。

7.しっかりとした双葉に(11日目)

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ しっかりとした双葉に(11日目)
2018/03/08
出芽から1日経ち、しっかりした双葉になりました。去年同じキダチトウガラシのタバスコを栽培した際、出芽直後に直射日光を当てて葉焼けさせてしまったので、まだ寒冷紗越しに日を当てています。

8.LEDで補光(12日目)

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ LEDで補光(12日目)
2018/03/09
育苗の初期段階でいちばん怖いのは徒長です。徒長はいろいろな要因が絡み合った結果かと思われますが、個人的には「日照不足」「水分過多」「高温」「無風」の組み合わせが生じないように気を付けています。例年3月は雨天や曇天の日が多くてやきもきするので、LEDを3つ導入しました。

9.ようやく本葉が見えてきた(15日目)

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ ようやく本葉が見えてきた(15日目)
2018/03/12
タバスコとほぼ同じペースの成長ぶりで亀の歩みです。このところ曇り空の日が続いていましたが、今日からしばらくは素晴らしい育苗日和の予報。いやはや嬉しいですな。

10.本葉3-4枚目が見えてきた(28日目)

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ 本葉3-4枚目が見えてきた(28日目)
2018/03/25
本葉3-4枚目が展開中です。成長スピードはタバスコとほぼ同じです。苗の草姿も同じキダチトウガラシのタバスコとよく似ています。通常のトウガラシよりも小ぶり、かつ、葉は黄色がかった緑で、艶がなくガサガサした感じ。子葉の劣化が早いところも同じです。

原産地の熱帯雨林帯は高温多湿の無風地帯なので、この時期の日本の乾燥した空気や風が合わないのかもしれません。

11.苗らしくなってきた(35日目)

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ 苗らしくなってきた(35日目)
2018/04/01
だいぶ苗らしくなってきました。本葉5-6枚目が展開中で、7-8枚目も見えています。やはりお日様と暖かさに勝るものなし。

12.ポットサイズをアップ(49日目)

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ ポットサイズをアップ(49日目)
2018/04/15
葉数がかなり増えました。上から見ると、成長点に15枚目の本葉が目視できます。先週半ばの春の暴風で成長点に近い若葉が傷つき、葉っぱ大好き人間としてはかなりショックでしたが、成長点までやられなかったのは幸いです。

13.ポットサイズをアップ(49日目)

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ ポットサイズをアップ(49日目)
脇芽がものすごいので、将来の樹形にも期待ができます。

根がかなり発達していたので、苗が老化しないように2日前、2.5号ポットから3号ポットに移植しました。追加分の用土はそのままタキイの「種まき培土」です。徒長が怖くて水分管理が楽な小さいポットに播種したのですが、最初から3号ポットに播けばよかったのか。うーむ、よく分かりません。

後は花芽が見えてくれば10号のベジタブルポットに定植の予定です。

14.花芽を確認してから定植(65日目)

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ 花芽を確認してから定植(65日目)
2018/05/01
待望の花芽が確認できたので、ようやく植え付けに漕ぎ着けました。脇芽がすごいことになっていますが、自然な樹形を楽しむためにあえて放置しています。

鉢はアイリスオーヤマの「ベジタブルポット」10号、土は同社の「ゴールデン粒状培養土野菜用」14ℓです。

15.花芽を確認してから定植(65日目)

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ 花芽を確認してから定植(65日目)
こちらが花芽です。花芽分化の前に根圏が広くなるとそのまま栄養成長が続く、と耳にしたことがあるので、蕾が確認できるのを待っていました。

種まきから植え付けまでは9週間でした。今年の3月-4月は全般に高温が続いたにもかかわらず、かなり時間がかかっています。花芽確認まで100日もかかった去年のタバスコほどではないですが、キダチトウガラシはやはり成長が遅いような気がします。

16.蕾が成長中(77日目)

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ 蕾が成長中(77日目)
2018/05/15
植え付けから2週間。花蕾が順調に増えています。とはいえ、まだまだ小さいので開花までは時間がかかりそうです。

17.開花!(83日目) 注目!

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ 開花!(83日目)
2018/05/19
待ちに待ったピリピリの花がようやく咲きました! 種まきから3か月弱です。花柄はすっと直立していますが、萼から先は首が折れそうなほどに俯いています。何ともいえない風情。

花弁も通常のトウガラシ Capsicum annuum が純白に近いのに対し、ピリピリは緑がかった白です。これはキダチトウガラシ C. frutescens の特徴で、去年栽培した同種のタバスコもそうでした。

18.開花1週間後の草姿(90日目)

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ 開花1週間後の草姿(90日目)
2018/05/26
1週間前にようやく花開いてくれたピリピリの草姿です。低い背丈ながら、脇芽がぐいぐい育っているので全体にこんもりとしています。

19.支柱立て(107日目)

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ 支柱立て(107日目)
2018/06/12
いよいよこんもりしてきました。樹形マニアとして喜ばしい限りです。ただ、主枝の細さと側枝の多さからベランダの強風に対する不安が出てきたので、支柱を立てることにしました。女竹を4本使いました。地上部で50㎝ほどの長さです。

20.ようやく着果(111日目)

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ ようやく着果(111日目)
2018/06/16
花こそ咲けどなかなか実を結んでくれなかったピリピリですが、第5花にしてようやく着果してくれました。萼を除いて2cmほどの小さな果実です。

21.私的ベストショット(146日目)

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ 私的ベストショット(146日目)
今までに撮った唐辛子の写真の中で、個人的にはベストショットです。中央右側が着果第1号のピリピリです。じつは10日前(7/11)から赤くなり始めていましたが、今日にいたるまで撮影もせず、更新をさぼっていました。ちょっと後悔・・・

22.赤い実が増えてきた(154日目)

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ 赤い実が増えてきた(154日目)
2018/07/29
赤く色づいた実が増えてきました。こうして見ると、あらためて南国の植物だなぁと感じます。

23.赤い実が増えてきた(154日目)

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ 赤い実が増えてきた(154日目)
現在の草姿 ― というか樹形です。さすがキダチトウガラシ!「木立唐辛子」の名のとおり、根元からしっかり灌木化してきました。でも、丈はもうこの程度で十分かな。

24.初収穫!(160日目) 注目!

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ 初収穫!(160日目)
2018/08/04
熟した実が増えてきたので収穫してみました。赤い部分が2cm前後の、とっても小さな唐辛子です。試しに生でガリッと噛んでみると、なかなか強烈な辛さです。でも辛さだけではありません。風味が調味料のタバスコによく似ています。

タバスコペッパーもピリピリも同じキダチトウガラシなので不思議ではないんですが、タバスコソースのあの風味は原材料そのものの味と香りが占める割合も大きいんですね。

25.ピリピリの色変化(161日目)

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ ピリピリの色変化(161日目)
2018/08/05
ピリピリの未熟果から成熟果までを左から一列に並べてみました。左端の未熟果は、タバスコの緑白色とは違い、普通の緑色です。それがあるとき急に黒みがかってきます。そして臙脂に近い色合いを経たのち、明るい朱色になり、最後は右端の深い赤に至ります。

形・大きさも可愛ければ、その色もまた我が目を楽しませてくれるピリピリです。

26.小さな木になりました(188日目)

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ 小さな木になりました(188日目)
2018/09/01
種をまいてから、早くも半年あまりです。ピリピリは、学名「キダチトウガラシ Capsicum frutescens」のとおり、小さな木になりました。丈は1.1mほどです。種袋には3~4フィートと書かれていたので標準的な高さです。

27.小さな木になりました(188日目)

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ 小さな木になりました(188日目)
根元もしっかりしています。

28.小さな木になりました(188日目)

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ 小さな木になりました(188日目)
かなりの数の実がなっていますが、葉叢に隠れて目立ちません。結実のペースがふつうのトウガラシよりも遅いような気がしますが、種袋の裏書きによるとこれはピリピリの特性のようです。実の形がとても可愛い。いかにも真夏の植物ですね。

29.3回目の収穫(191日目)

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ 3回目の収穫(191日目)
2018/09/04
今日は台風で室内に取り込んでいます。熟した実が増えてきたので3回目の収穫を行いました。

30.まだまだ元気(255日目)

ピリピリ ― ブラジル発ポルトガル経由アフリカ着のトウガラシ まだまだ元気(255日目)
2018年11月07日
葉が落ちてだいぶスカスカになりましたが、それでも開花と結実が続いています。初めて実がなってからかれこれ5ヶ月です。地上部と根を刈り込んで赤玉土に植え替え、休眠越冬させようか思案中です。

開花期

収穫期

わたしの育て方

「栽培環境」
・南東に面したマンション3階のベランダ

「日照時間」
・日の出から、季節によって異なるが、12-14時頃まで
・育苗期、雨天曇天の日はLEDで補光

「水やり」
・育苗期は朝にしっかり与え、夕方には乾くように管理
・定植後は、夏期までは3-4日に1回朝、夏期からは毎日朝

「温度管理(育苗期)」
・日中は可能な限り25℃以上になるように
・夜間は徒長を防ぐため可能な限り15℃以下になるように

「肥料」
・育苗期は種まき培土の元肥
・育苗開始1か月後に薄い液肥で追肥
・植えつけ後1ヶ月までは培養土の元肥
・それ以後は1週間~10日に1回液肥で追肥

「病気と害虫」
・育苗期にアブラムシが発生(粘着テープで駆除)
・植えつけ後にコガネムシ幼虫発生の可能性(ダイアジノン粒剤3で駆除)

「用土と鉢」
・育苗期はタキイ「種まき培土」
・植えつけ後はアイリスオーヤマ「ゴールデン培養土」
・野菜用プラポット10号10ℓ

「主な作業」
・暴風に備えての支柱立て
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