セリを種から育てる(日本古来の作物)

植物名 セリ
品種名 セリ Oenanthe javanica
地域 埼玉県 場所 ベランダ 栽培形態 鉢植え
日当たり 明るい日陰 満足度
ジャンル 山野草・盆栽 野菜 タネから育てる

栽培ストーリー(わたしの育て方レポート)

セリを種から育てる(日本古来の作物)

セリを種から育てる(日本古来の作物)

作成日:2018/09/18
最終更新日:2019/03/23

セリは、農業的にはランナーによる株分け繁殖が一般的です。また種子は市販されておらず、苗の販売もあまり一般的ではないので、家庭菜園的には市販の根付きセリを再生して殖やすのが普通のようです。

というわけで、web上には実生栽培の記録がほとんどありません。だったら自分が育てて記録してみよう、ということで栽培を始めました。

  • セリの花

    1

  • セリの種まき(0日目)

    2

  • 胚軸発見!(9日目)

    3

  • 双葉が開いた(10日目)

    4

  • 本葉が見えてきた(15日目)

    5

  • 本葉が開いた(19日目)

    6

  • 発芽が続く(21日目)

    7

  • 本葉2枚目(26日目)

    8

  • 本葉3-4枚目(36日目)

    9

  • 苗の取出し(47日目)

    10

  • いよいよ植え付け(47日目)

    11

  • 分蘖枝の発達(53日目)

    12

  • 順調に成長中(56日目)

    13

  • 株分れが進行中(75日目)

    14

  • 全体の様子(75日目)

    15

  • 3ヶ月経ちました(90日目)

    16

  • 葉に気になる斑点が(90日目)

    17

  • 5か月経ちました(153日目)

    18

  • 春の成長期(178日目)

    19

  • 収穫(195日目)

    20

  • 20の続き

    21

  • 21の続き

    22

  • 収穫後の切り戻し(196日目)

    23

1.セリの花

セリを種から育てる(日本古来の作物) セリの花
2018年07月13日
2年前の秋にスーパーで買ったセリの根を土に挿すとすぐに活着し、勢いよく成長し始めました。年が明けて夏を越すと株が弱ってきたので、ランナーを使って株を更新しました。更に年が明けて夏を迎えたところ、2年目にしてようやく待望の開花を目にすることができました。

実がなったら、以前から計画していたセリの実生栽培に挑戦です。

2.セリの種まき(0日目)

セリを種から育てる(日本古来の作物) セリの種まき(0日目)
2018年09月07日
セリの果実が完熟しました。同じセリ科のパクチーの果実に似ています。画像はその中に入っていた種子です。バーミキュライト単体に採り播きして発芽を待ちます。

1. 用土を熱湯で消毒する。
2. 3号プラポットに不織布を敷いて1の用土を入れる。
3. セリ種子をばら蒔く。
4. 軽く覆土。
5. 底面灌水の状態で戸外の明るい日向に置く。

3.胚軸発見!(9日目)

セリを種から育てる(日本古来の作物) 胚軸発見!(9日目)
2018年09月16日
なかなか芽生えの兆しがなく諦めかけていましたが、とうとう土の表面に薄緑の「つ」の字を発見しました。出芽直前の胚軸です。これぞ実生の醍醐味ですね!

4.双葉が開いた(10日目)

セリを種から育てる(日本古来の作物) 双葉が開いた(10日目)
2018年09月17日
「つ」の字に曲がった胚軸を確認してから1日で子葉が開きました。とっても小さな双葉で、1枚の長さが5mmほどしかありません。初期成長はきっと亀の歩みかな。

5.本葉が見えてきた(15日目)

セリを種から育てる(日本古来の作物) 本葉が見えてきた(15日目)
2018年09月22日
発芽第1号の双葉の間から本葉が少し顔を覗かせています。用土がバーミキュライト単体で栄養分を欠くので、2日前に子葉がしっかり展開してからハイポネックス2000倍水溶液を灌注しました。

6.本葉が開いた(19日目)

セリを種から育てる(日本古来の作物) 本葉が開いた(19日目)
2018年09月26日
発芽第1号の本葉が開きました。とても小さくて、まだ小葉に分裂していません。葉柄の根元には次の本葉が見えています。

7.発芽が続く(21日目)

セリを種から育てる(日本古来の作物) 発芽が続く(21日目)
2018年09月28日
セリは発芽率が低いと聞いていたので種を多めに播きましたが、その多くが発芽してくれています。完熟後すぐに保水力のある用土に採り播きしたのが功を奏したようです。

セリの種子は乾燥した常温下では発芽力を失うとのことなので、発芽率が低いというのは、そうした条件下で保存された種かもしれません。

ただ、発芽時期にはばらつきがあり、最初の発芽から2週間にわたって発芽が続いています。

8.本葉2枚目(26日目)

セリを種から育てる(日本古来の作物) 本葉2枚目(26日目)
2018年10月03日
第2葉が展開中です。下側の第1葉よりも切れ込みが深くなっています。

予想外にたくさん発芽しましたが、毎日少しずつ間引いていたらあっという間に3株になってしまいました。ちょっと見極めが早すぎたかも…

セリは水田栽培が一般的なことから分かるように根が水浸しでも問題ないので、プラポットの半分ほどの高さまで腰水をして給水しています。

9.本葉3-4枚目(36日目)

セリを種から育てる(日本古来の作物) 本葉3-4枚目(36日目)
2018年10月13日
草姿にセリらしさが出てきました。本葉は3-4枚目が展開中で、3枚目から完全に3つの小葉に分かれ始めています。

同じセリ科のミツバ、パクチー、イタリアンパセリと同様に、成長するにつれて胚軸が地中に潜っていきます。根が地上部を地中に引っ張るのでしょうか。

追肥は株元にマイガーデンベジフルを3粒づつ埋め込み、ハイポネックスを2000倍から1000倍に濃度を上げて与えました。

10.苗の取出し(47日目)

セリを種から育てる(日本古来の作物) 苗の取出し(47日目)
2018年10月24日
本葉6-7枚目が展開中です。地上部がかなりしっかりしてきたので、植え付けに先立って苗床から取り出しました。

用土がバーミキュライト単体なので、水を張ったバケツにポットごと沈めて揺すっていれば簡単に取り出せます。バーミキュライトは消毒して再利用します。

根がしっかりと育っているのを見てほっと一息。セリは別名「白根草」というだけあって、根がなかなかきれいな色をしています。

11.いよいよ植え付け(47日目)

セリを種から育てる(日本古来の作物) いよいよ植え付け(47日目)
2018年10月24日
プランター付属のすのこの上に不織布を敷き、その上に用土を入れて植え付けました。土は「赤玉土小粒:野菜用培養土:ケイ酸塩白土」を「5:4:1」の割合で配合してあります。

セリは根が水浸し状態のほうが風味がまろやかなので、水をひたひたに張っています。水が腐らないように止水栓で管理します。

植えつけた苗は2株で、残り1株は間引き菜として食しました。美味しかったです。

12.分蘖枝の発達(53日目)

セリを種から育てる(日本古来の作物) 分蘖枝の発達(53日目)
2018年10月30日
植え付けから1週間ほど経過し、ますますセリらしくなってきました。と同時に、根生葉の付け根から分蘖枝(ぶんげつし/ぶんけつし)が伸び始めました。分蘖とは植物の根もと近くから新芽が伸びて株分かれすることです。

ランナーと似ていますが、ランナーが夏を中心に発達するのに対して分蘖枝は一年中伸長します。また形状的にもランナーとは異なります。いずれにせよ、どんどん株分れする予兆です。

13.順調に成長中(56日目)

セリを種から育てる(日本古来の作物) 順調に成長中(56日目)
2018年11月02日
特に大きな変化はありませんが、プランター全体の様子を画像で記録しておきます。

左手奥の株は葉が小さく、茎が細めで長く、そして分蘖枝がよく発達しています。他方、右手前の株は葉が大きめで、茎が太くて短かく、その代り分蘖枝の成長は緩慢です。

同じ花房から取れた種なのに遺伝的に多様で興味深く感じます。実生の面白さですね。

14.株分れが進行中(75日目)

セリを種から育てる(日本古来の作物) 株分れが進行中(75日目)
2018年11月21日
種まきからちょうど2か月半が経ちました。寒さが増してきたにも関わらず、いよいよ元気です。さすが寒が旬のセリといった感じです。

株分れ用の分蘖枝は伸長のスピードが遅くなってきました。その一方で、先端の節が拠点となって新たな子株が成長中です。

15.全体の様子(75日目)

セリを種から育てる(日本古来の作物) 全体の様子(75日目)
2018年11月21日
ずいぶん葉数と分蘖枝の数が増えました。

16.3ヶ月経ちました(90日目)

セリを種から育てる(日本古来の作物) 3ヶ月経ちました(90日目)
2018年12月06日
種を播いてから3ヶ月めのセリです。こちらの株は親株に似てきれいな緑色をしています。葉もふっくらしていて食べても美味しそうです。

17.葉に気になる斑点が(90日目)

セリを種から育てる(日本古来の作物) 葉に気になる斑点が(90日目)
2018年12月06日
こちらの株は全体に赤茶けた感じで、よく言えば野生的。悪く言えば不味そうです。さらに問題なのは、葉のあちこちに小さな斑点があることです。

単にこの株の形質的特性なのか、あるいは何かの病気なのか、素人には理由が分からないので悩ましいところです。アブラムシといった吸汁害虫の媒介によるウィルス罹患なら厄介ですが、隣の株には今のところ影響がないようです。

18.5か月経ちました(153日目)

セリを種から育てる(日本古来の作物) 5か月経ちました(153日目)
2019年02月07日
なかなか大きくならないなあ…と思っていましたが、上2枚のの写真と較べると成長はしています。とはいえ、収穫するほどの量はありません。

用土の表面に敷き詰めてあるのはケイ酸塩白土(「ブロックシリコ ミリオンA」)です。セリは、その根の働きのおかげか、水をあまり換えなくても腐ることはありませんが、それでも長時間の止水状態には変わりがないので、根の健康を考えて導入しました。

19.春の成長期(178日目)

セリを種から育てる(日本古来の作物) 春の成長期(178日目)
2019年03月04日
昨年の9月上旬に種を播いてから、間もなく半年を迎えます。この1週間ほどで急速に成長が早まりました。

上の1か月前の状態と較べると、葉色もずいぶん鮮やかになって嬉しい限りです。今日は活力剤としてメネデール100倍水溶液を灌注しました。

厳寒期は日当たりのよい場所で管理していましたが、アオコの繁殖が目立ってきたので、先月の半ばごろからは日陰に置いています。

20.収穫(195日目)

セリを種から育てる(日本古来の作物) 収穫(195日目)
2019年03月21日
待ちに待った収穫です! 種を播いてから半年と2週間。鮮やかな葉色にほれぼれします。

日陰で水耕しているためか、生で味見をしても、柔らかくてえぐみがありません。でも、セリのよい香りはたっぷり。食べやすくてとても満足です。

21.20の続き

セリを種から育てる(日本古来の作物) 20の続き
こちらは収穫前の雄姿です。春の陽気でずいぶん大きくなっていました。なお、撮影用に直射日光下に置きましたが、ふだんはほとんど陽射しのない明るい日陰に置いてあります。

22.21の続き

セリを種から育てる(日本古来の作物) 21の続き
収穫したセリは「大根とセリのぽん酢和え」と「卵とじ」にして食べました。こちらは和え物の画像です。レシピはhttp://www.kikkoman.co.jp/homecook/search/recipe/00001103/index.htmlを参考にしました。美味しかったですよ!

23.収穫後の切り戻し(196日目)

セリを種から育てる(日本古来の作物) 収穫後の切り戻し(196日目)
2019年03月22日
収穫後は残っていた古い葉をすべて取り除き、根元に近い部分まで切り戻しました。また、プランターがさほど大きくはないので、株分れしすぎないように分蘖枝も取り除きました。

アオコがずいぶんと繁殖していたので、表土を入れ替えました。用土も注水と排水を繰り返してきれいにした後、メネデール100倍水溶液をたっぷりと灌注しました。

開花期

収穫期

わたしの育て方

「栽培環境」
・南東に面したマンション3階のベランダ

「種まき」
・完熟後すぐに採り播き

「定植」
・本葉6-7枚目の展開期

「用土」
・種まき用はバーミキュライト単体
・定植用は「赤玉土小粒+市販培養土+ケイ酸塩白土」を5+4+1の割合

「土中水分」
・水浸しに近い多湿の状態を保持

「日照」
・発芽までは明るい日陰
・発芽後の育苗期・定植後は午前中(秋季・冬季)
・2月より明るい日陰

「肥料」
・播種時は無肥料
・子葉が展開した時点でハイポネックス2000倍水溶液
・定植後しばらくは培養土の元肥のみ


セリのライフサイクルはよく分からないのですが、保水力のある用土に採り播きにしたのは、以下のような条件を考慮したからです。

・湿地に生育する。
・果実は完熟するとちょっとした振動で落下する。
・種子は乾燥した常温下では発芽力を失う。
・発芽適温が昼温24°Cかつ夜温10℃~15℃である。

これを見ると、熟した果実が風などで湿地に落下し、湿度を保ったまま、昼温と夜温の差が大きくなる初秋の頃に発芽するというパターンのような気がします。
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