1.2017臥牛・秋の植え替え、彼岸過ぎ
‘17.9/23撮影
臥牛の’秋の植え替え’の是非については日記過去ログに既述したが、ハオルチアとの比較を述べると、
◯ハオルチアほど真夏の休眠がはっきりしない。
◯ ガステリアは一年中ダラダラと成長し、厳冬期以外は動いてるケースが多い。
◯ ハオルチアより根の伸長が旺盛。
以上の理由から「植え替えは秋でもOK」とした。
ただしハオルチアより暖かさを好む傾向があるので春がベストと云える。
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2.臥牛は根が直根性、いわゆる”ゴボウ根”
‘17.9/23
ふつう植物は「樹冠の広がりだけ地中の根が広がってる」とされる。
しかし、ガステリアにゃ当てはまらない。
とくに臥牛はその自生地の特殊性なのか、直根(ゴボウ根)の伸びが旺盛でしばしば鉢穴から這い出す。
その割りに地上部の成長が遅いのが奇妙ではある。
またその直根はランの気根のように乾燥に強くない。
ゆえに植え替えは手早くやらないとせっかくの元気な根を損なう。
心されたし。
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3.楽焼き鉢に植え込み完了、箔が付いた✨
‘17.9/23
臥牛栽培に最も適した鉢はこの京楽焼ラン鉢。
“胴長”なのが臥牛の長大な直根が伸びる性質に合致。
他にも楽焼の有利な点がたくさんある。
去年の日記にも記したが、素焼きに釉薬を施すという画期的発明により急激な水分蒸散を防ぐ利点。
猫足三脚の不安定さと高価なのが難点だが、それは栽培者の真剣さでカバーしてもらいたいものだ。
そこまで苦労しても余りある魅力が臥牛にはあるのよ。
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4.旧名「パール臥牛」の由来 💍✨
‘17.10/15撮影
なぜパールと名付けたのか。
この姿のどこが真珠なのか。
拡大すると判る。
この白い斑点(丘疹・小結節)を真珠に見立てたものだ。
命名者は拡大鏡虫眼鏡でこの丘疹状突起を見てパールを連想したんだろう。
(まだハズキルーペは発売されてなかったはず)
この旧名は誕生した時からすでに廃れ消え去る運命にあった。
なぜなら、あの突起が真珠に見える者はいないだろうから。
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5.🌱✨これから徐々に新葉が出始める
‘18.3/7撮影
写真を見比べると、去年9月植え替えしてより新葉の出が僅かに進んだ。
まぁ寒かった冬を挟んだので無理もあるめぇよ。
都心の最も寒みぃ朝は−4℃まで冷え込んだ。
新聞紙を被せるだけで凍害を免れただけ良しとしなきゃ。
古い専門書によると臥牛は寒がらせると葉に黒いスポットが出るらしい。
今まで庭に設置の無加温フレームでずっと栽培して来たがそういう症状が出た事はなかったがネ。
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6.☘️✨新葉の伸びがお判りか。
‘18.4/8撮影
ご覧の通り臥牛は成長の伸びが非常に遅い。
栽培環境にもよるが1年に葉が1〜1枚半程度出りゃいい方だ。
怠慢な栽培者に懸かって生育期に水切れ・葉焼けなど人災を蒙ると葉の伸びは止まる。
それで枯れる訳じゃないが根は機能を失い日焼けした葉は光合成を停止、せっかくの生育期に遮光し水やりをするまで無理矢理休眠状態。
物事にゃセオリーと云うものがある。
真摯に学ぶ姿勢は大切。
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7.👶🏻➡️👧🏻吹き仔も育って来た。
4/8
反対側にも仔が着いてる。
臥牛は両脇に掻き仔を着ける性質がある。
(純粋)臥牛は群生型。単生型は見た事ねぇ。
掻いても掻いても次の年になると何個かの仔が芽吹いて来る。
多肉植物で子吹きの盛んな物は、出始めは高価であっても、いや初見が高値であればあるほど皆が繁殖させようとするのであっと言う間に価格が暴落。
いつの間にやら駄物になっちまう。
しかしこれはあくまでも人間の価値観だがネ。
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8.🍀✨葉がプックリと厚みを増した。
‘18.5/14撮影
フレーム育ちの臥牛たちは今が生育の本番。
盛んに吸水し成長する。
ツボミが出て来るのも5月からだ。
前述の通りツボミは小っちゃなうちに摘み取る。
栄養とエネルギーを葉へ回すため。
たしかに花は素晴らしく美しいが、本来臥牛は葉の形や質感を楽しむもの。
原則論に固執するつもりはねぇが、観葉植物の一種として我が国に渡来した経緯もある。
葉の成長が開花に優先するのが本道。
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9.🍀☘️✨半年で新葉が半枚出て来た。
‘18.10/15撮影
前回の写真が5月半ばだから5ヶ月ぶりの姿。
あの時の半分出掛かってた新葉が完全に露出、新たに新葉が半分出現してる。
これが臥牛の成長ペース、ゆっくり育つ植物と云う事。
並行して吹き仔も成長してるので温暖期に生育が盛んな事が判る。
前の写真と今回の子株を見比べれば真ん中に新葉が出てる。
初夏〜梅雨〜真夏〜秋の5ヶ月にこれだけ成長した。
親子共に育ってる跡が見える。
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10.😒 軍配型と云うにはチョとためらうが。
10/15
写真右翼の3枚の葉。
葉先が凹んで「軍配型」になってる。
これを以って「軍配葉」としたいところだが、全葉が軍配型とは言い難い。
謙遜して”軍配”を看板から除くべきだったか。
門外漢にゃ全く以ってどうでもいい些細な事だが、趣味家にとっては大問題。
臥牛に限らず、ガステリア・ハオルチアは紋様も含め葉形が命。
それによって価値が大きく左右される。金銭価値ばかりじゃない矜持の問題。
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11.👱🏻♂️臥牛たちのポーカーフェイス
10/15
ここ近年、秋とは名ばかりの異常な暑さが列島を襲ってる。
昔であればオーバーが必要なほど冷え込む事も稀ではない季節。
連続夏日の昨今の暑さ、温暖化は確かな事なんだろう。
ハオルチアなれば葉面が凹むなり葉先・下葉が枯れるなり休眠の兆候が顕れる。
だが臥牛たちに目立った変化は無い。
環境にもよるが半休眠状態になる場合も。
しかし写真のように無表情。
暑さに対し許容範囲が広いのかも。
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12.🍂初冬でも株は動いてるようだ。
‘18.11/19撮影
明け方の最低気温が10℃以下になる日がチラホラ。
とうぜん無加温のフレーム内は外気温と変わらないくらい冷える。
だが晴れの日中は遮光したハオ・ガス専用フレームと雖も通風してさえ30℃を軽く超える。
これは、春秋生育型とされるハオルチア・ガステリアには最適の昼夜の温度差と云えるのかも知れない。
比較的低温に強いとされる臥牛だが、生育にはある程度の最高温が必要なのだ。
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13.🍀💤 半休眠に入ったかも?
早朝フレーム内にて。‘18,12/15
明け方5℃を前後する冷え込む我が家の庭。
時には8℃くらいの比較的あったかい朝もあるが1℃台の朝もあったりして、振れ幅が大きいこの季節。
臥牛はあまり寒がらせると黒斑が出る。
もちろん霜や雪を被るなどは論外、枯れはせずとも凍害は必至。
ガステリア類だけでも鉢数が多く室内へ取り込めない。
夜間は発泡スチロールのカバーですっぽりフレームを覆ってる。
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14.👩🏻🍳日焼けの徴候は無いようだ。
‘19.1/26.夕方のフレーム内
他の臥牛たちのように日焼けはしてねぇようだ。
白点に覆われてるお蔭か。
だが心なしか白色が冴えない。やはり休眠してるのか。
まだ生育中の10月:9枚目の写真と見比べると葉がかなり薄くなってる。
秋の生育期が終わって根からの吸水が漸減していたのだろう。
収容してるガステリア専用フレームは今の時期明け方4〜6℃まで下がる。
冬眠に入ってるのは確かなようだ。
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15.🌱➡️🌿吹いた子たちが成長。
‘19.2/18撮影
一昨年の秋の植え替え時に吹いた子を外そうとしたが、あまりに葉が薄っぺらいので延期した。
掘って見ないので判らないがたぶん発根してんじゃね?
もちろんこの春の植え替え時に外すつもり。
こんくれぇ育てばもう独り立ちさせても大丈夫だろ。
反対側にも数個子が吹いてるので誰か欲しい人へお分けする。
その栽培者の癖によって土に植え付けるかミズゴケにするか決めるのがいいだろう。
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16.🍀春の植え替え。ゴボウ根が素晴らしい。
‘19.3/20撮影
直根が何本も下へ伸びて、それぞれからヒゲ根がウジャウジャ繁ってる。
肥厚した葉や子が次々と吹くパワーはこの力強い根から来るもの。
ガステリアの魅力を遺憾無く発揮する草姿と直根。
ガステリアの植え替えは手早く行わなきゃならない。
根の表面が乾燥するとその根は機能しなくなる。
もちろん枯れて腐った根は植え替え時に取り除くのだがモタモタしてると細いヒゲ根が乾いてしまう。
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17.👨👩👧👦結局外せたのは2個
3/20
子は両側に計6個吹いてたが、そのうち発根してたのは2本。
あとの4本は親株にガッチリくっ付いてる。
普通は手で捥ぎ取るんだが、こんなに太く食い入ってると無理やり捥いだら裂け口が大きく、親株へのダメージが心配される。
また、カキ子も葉挿しと同じ事になり発根・成長がかなり遅くなる。
そうするとその間トラブルで枯れないとも限らない。
親株に付けたまま自然に発根するまで待つことにした。
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18.👩👧👦カキ子がかなりデカい。
‘19.3/23撮影
大きな子を付けたままミズゴケで植え込んだ。
今年の生育期に発根してくれればいいのだが。
ミズゴケ植えは根元をめくって発根状況を見るのに都合が良い。
カキ子が発根してれば、親株と大きな面積でくっ付いてても切り口の殺菌さえ怠らなけりゃ地降ろし独立は容易。
それまで気長に待つ事にする
発根してた2本のカキ子もミズゴケ植えにしコミュ会員さんへ送った。
元気に育ってくれ。
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19.🍀💤 まだ休眠から目覚めてないようだ
‘19.9/18撮影
まだまだ残暑。
日中30℃超えの日があったり、今日みたく20℃そこそこの日があったり。
3月の植え替え以来 写真は撮らなかった。
だが観察は怠っちゃぁいない。毎日見ない日はない。
今回のと比べると新葉が順調に出てるようだ。
葉の厚みが減った。まだ休眠が続いてるのかも。
デカい仔をくっ付けてるせいもあるのか。
来春は仔を掻かないとヤバいかも。親の栄養を横取りしてる。
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20.🌱💧来年春にゃカキ子を外さなくちゃ。
デカいカキ子たち。’19.10/28撮影
一昨年からすればずいぶん育ったカキ子。
今年の春に掻いて配ったのだが、この子たちはもう十分に育ってたが、まだ発根してなくて掻くのを見送った。
(結局発根してたのは2個のみ。会員さんへ送った)
まるでニート兄弟が働かずに家でゴロゴロしてる図。
こういうのも困ったものだ。
来春はたとえ発根してなくても切り離すぞ。
人間でも過保護はイカん。
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21.☘💧新葉の伸びはとまってる。
'19.12/3
古い専門書に、ガステリアは明け方の温度が2~3℃以上あれば少しづつでも成長を続けるとある。
この冬は暖冬傾向で、今のところガステリア専用フレームの最低温度は5℃を切った日はない。
しかし成長旺盛な晩秋からこれまで1ヶ月チョイ、新葉の伸びは全く無いようだ。
デカいカキ子に栄養を横取りされてるのかも。
来春は是非に共カキ子を外さなきゃならない。
発根していようといまいと。
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開花期
収穫期
わたしの育て方
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【 濃密白点軍配型ダルマ臥牛(スノーホワイト) 】
昔は「パール臥牛」と呼ばれた。
実を云うと素性がよく判らない。
いや、おいらが知らないだけかも。
もちろん検索は掛けてみたけど判らず仕舞い。
もし知ってる人がいたら教えて下さいな。
いつ頃からこの白点が巷に出回ったのかよく憶えてねぇが、かれこれ10年以上になるのは確か。
この株を手に入れたのはそれよりも後だが。
こういう白い斑紋(突起)は、密度は違えどガステリア属の他の種にもある。
自然か人為的かは別にして、この「濃密白点臥牛」が純粋の臥牛じゃなく、白点のある他のガステリア種との交雑の可能性もあるんじゃないか、と疑惑の念が湧くのを禁じ得ない。
培養土は赤玉土5割・鹿沼土3割、あとはピートモス(無調整)1割・籾殻燻炭5分・バーミュキュライト5分。
鹿沼土とピートモスは保水性も優れてるがこの場合用土を弱酸性に保ちホウ素・マンガン欠乏症を予防する意味。
籾殻燻炭は極端な酸性化を防ぎ通気を保持、バーミュキュライトも通気を重視。
施肥は百害有りて一利なし。
定期的な植え替えを実行してれば肥料は不必要。
上記のバーミュキュライト以外の用土にゃ微量ながら肥料三要素・ミネラルが含まれてる。
多肉愛好家にゃこれが分かってない人が結構いる。
早く成長肥大させたいが為にやたら液肥をやる。
しかしこれは健康的な成長とは言い難い。
徒長の原因にもなるし病虫害に弱い株になる。
そういう人に啓蒙的に注意した事もある。
だがこの手の人は聞く耳を持たない。
どうやら人より早く大きくして見栄えを良くしたいらしい。
本来ゆっくり成長する多肉植物にとっては堪らない。
臥牛はそのようなせっかちで軽薄な栽培法にゃ最も向かない種類だ。
例えて云うなら盆栽、何年もかけてじっくりと対話しながら育ててゆく。
綺麗な花は幸いにして付いて来る嬉しい付録みてぇな物。
それ自体を期待して性急に開花させるものじゃない。
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植え替え時の日記
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https://www.shuminoengei.jp/?m=pc&a=page_mo_diary_detail&target_c_diary_id=413834
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‘17.7/3撮影
【 濃密白点ダルマ軍配臥牛 】旧名: パール臥牛
素性はともかく「改良型臥牛」の雄。いや女王と云うべきか。
密に浮き出た白紋、幅広短葉の「ダルマ型」
最初に作出した栽培家は狂喜乱舞したに違いない。
「白馬の輝き」のような明らかにハイブリッドと判るような雰囲気はなくフォルムは臥牛そのもの。
願わくば突然変異で出現した品種であって欲しい。
異種交配じゃ値打ちが下がる。
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