1.原種チューリップの本(-2日目)
2018年11月28日
冨山稔『原種の花たち① チューリップ 』文一総合出版。シルベストリスを知るきっかけとなった本です。
野生種のチューリップにターゲットを絞った日本初の書籍で、去年の3月20日に第1刷が公刊されたばかりです。著者の冨山氏は植物写真家で、世界の花を見るツアーのガイドとしても有名な方です。
19cm×13cmの小型本で全128ページというコンパクトさ。値段もお手頃でお薦めです。
2.シルベストリスの球根(0日目)
2018年11月30日
球根はwebで注文しました。届いた球根を見てその小ささにびっくり。縦が2.5cmほどしかありません。いわゆるミニチューリップでしょうか。
もう12月目前なので早速植え付けです。
3.植え付け(0日目)
2019年11月30日
球根は大きめ5つと小さめ7つに分けて、2つの7号ポットに植え付けました。
用土は「赤玉土+鹿沼土+パーライト+腐葉土」を「5+1+1+3」の割合で配合して化成肥料を規定量の半分混ぜ込んだものと、市販の培養土単体の2通りです。前者に肥料を混ぜ込んだのは、肥沃な土壌を好むとの記述があったからです。
水やり後は、水切れに注意しながら芽が出てくるまでベランダの日陰で管理します。
4.芽吹き(55日目)
2019年01月23日
少しずつ葉が伸びてきています。等間隔で植えたはずなんですが、奥の2株はやたら近づいた状態で芽が出ています。不思議です。
地上に初めてお目見えしたのが昨年の大晦日あたりで、寒さでやられるのではないかと心配していましたが、いまのところ全く問題ないようです。
芽が出てからは日なたで管理しています。
5.成長中(70日目)
2019年02月07日
順調に展葉が続いています。葉っぱ好きとしては、この銀緑色というか白緑色というか、独特の肉厚の葉が魅力的です。
球根の大きさの割にしっかりした葉でちょっと意外です。
6.蕾が見えてきた
2019年2月下旬
葉と葉の間から蕾の頭が見えてきました。思わず「やったー」と声が出てしまいました。でも残念なことに、この瞬間を画像で記録しておかなかったのです。全くもって後悔先に立たずです…
7.蕾が膨らむ(102日目)
2019年03月11日
蕾がだいぶ色づいてきました。鮮やかな黄色い花とのことで、今から楽しみです。
8.7の続き
双子の株もあります。
9.7の続き
7の全体画像です。球根は縦2.5cmほどしかありませんでしたが、花茎は30㎝ほどあり、それほど小型の原種チューリップではありません。
10.あともう少し(103日目)
2019年03月12日
いよいよ開花が近づいてきました。
11.10の続き
9の全体画像です。開花が近づくと蕾が横を向き始めるのが面白いですね。
12.開花!(104日目)
2019年03月13日
待ちに待った開花です。本当に美しい。鮮やかな花色に息を呑むばかり。育ててよかったです。
13.12の続き
12の全体画像です。花には強い芳香があります。
14.12の続き
そして、夜になるとそっと閉じます。
15.満開(108日目)
2019年3月17日
シルベストリは咲き始めてから3日目から4日目あたりで満開を迎えます。Webで現地の画像を見て以来ずっと憧れていた花姿そのものです。
16.人工授粉(108日目)
2019年03月17日
今秋からの実生栽培を目指して人工授粉を行いました。花弁だけではなく、雄蕊も雌蕊も花粉もすべて鮮やかな黄色です。チューリップは自家不和合とのことなので、各株に他株の花粉を与えました。
結実したら、各鉢1株を残して残りは花がらを詰みます。
17.花がら摘み(118日目)
2019年03月27日
最初の開花から2週間近くが過ぎ、ほとんどの花が枯れてきました。花びらを触るとぽろぽろ落ちてきます。今までのお礼を言い、今後の球根肥大のため、種を採取する2株を除いて花がらを摘みました。
ハサミなどを使うとウィルス感染の恐れがあるとのことで、手で摘み取りました。また、花茎は光合成に重要とのことなので、そのまま残してあります。
18.子房の発達(119日目)
2019年03月28日
種を採取するために花がらを残した2株は、開花の初期と較べると子房が明らかに大きくなってきています。今のところ2.5cmほどの長さです。
19.実が大きくなってきた(163日目)
2019年05月11日
結実から2か月弱の果実です。なかなか存在感のある形で、ウバユリの実に似ています。
20.19の続き
全体の草姿です。かなり枯れこんできました。地下では来季に向けて球根が大きくなっていることだと思います。
21.完熟(191日目)
2019年06月08日
果実は、無事に完熟したのち、乾燥して縦に裂け目が現れました。
22.21の続き
こちらは果実を上から見た画像です。この裂け目の奥に平べったい種子が積み重なって収められていました。
23.21の続き
これがTulipa sylvestrisの種です。胚がないペラペラの種子が多く、まともなのは2つの果実を合わせてこの程度でした。今年の秋に播種の予定です。
24.球根の掘り上げ(193日目)
2019年06月10日
画像は1週間後のものです。掘り上げてみて、
1. 赤玉土と花・野菜用の培養土を混ぜた用土の球根は、しっかりとした薄皮に包まれてきれいな状態だが、培養土単体の球根は表面の薄皮が腐敗していたり、剥がれてしまっている。
2. 種子を採取した株は、他の株とは違い、いずれも地下茎を伸ばしてその先に新しい球根ができる。
ということが分かりました。どうも水はけが重要なようです。
もっぱらハーブや野菜などの有用植物ばかりを栽培してきた私が初めて育てた「花を愛でる植物」― それがこの原種チューリップ「シルベストリス」です。育ててみて、もう感動の一言でした。
きっかけは趣味園の原種シクラメンの記事です。そこで原種チューリップなる存在を知りました。そして、在りし日の植物少年は原種や野生種という言葉に弱いのです。
Webで調べているうちに「これだ!」という原種に出会いました。ハーゲリー Tulipa hāgerī という野生種です。しかし時すでに11月の半ば。球根はどこも売り切れです。
そのとき、個人的に縁の深いポルトガルにも野生種が自生していることを知りした。それがこのそだレポの主役シルベストリスです。幸いにもまだ球根が販売中だったので早速入手しました。