【春植物について】
落葉樹の林床に自生していますユキワリイチゲやニリンソウ、キクザキイチゲ、カタクリたちは「春植物」(スプリング・エフェメラル、春の儚いもの)とも呼ばれます、可愛らしい山野草たちのことです。
まだ、寒さの残る早春に芽吹いて、あたたかな春の陽ざしをあびて、春の妖精のような可憐なお花を咲かせて、春の訪れを告げてくれます。
初夏にさしかかる頃には、地上部がなくなって、再び来年の春まで、長い休眠に入ります。
こうした山野草たちを「春植物」と呼びます。
イチゲやニリンソウの仲間をはじめ、カタクリやコバイモ、アマナ、フクジュソウ、セツブンソウたちも、春植物の性質をもっています山野草たちです。
ここでは、我が家で育てています、ユキワリイチゲ、イチリンソウ、ニリンソウ、キクザキイチゲ、アズマイチゲ、ヒメイチゲなどの、僕の育て方をご紹介させていただきます。
【栽培環境】
自生地は、落葉樹の森の斜面です。このイメージで育てます。
山の自生地では、冬は雪の布団をかぶって過ごし、まだ寒さの残ります早春の雪が解けだす頃、落葉した木々の合い間から陽ざしが射し込む、そんな山の斜面の陽だまりのなかで、芽吹きが始まります。
2月から4月にかけて、いっせいに可憐なお花が咲いてくれます。
葉っぱが展開しています、わずかな期間で光合成をして養分をためて、次の春の花芽をつくります。
初夏にさしかかる頃、頭上は木々の緑に覆われて強い陽ざしが遮られ、日陰の涼しい環境となります。その頃にはやがて地上部は枯れてなくなり休眠に入ります。
そのまま地中で夏を過ごし、晩秋の頃から、次の春に向けて再び地中での活動が始まる・・、そんなライフスタイルで生活をしています。
なお、ユキワリイチゲは、秋から(10月~)芽吹きが始まります。
(自生地の様子は、アルバムにも綴っております。よろしければ、お立ち寄りいただけると嬉しいです。↓↓↓)
http://www.shuminoengei.jp/?m=pc&a=page_fh_album&target_c_album_id=5575
http://www.shuminoengei.jp/?m=pc&a=page_fh_album&target_c_album_id=8812
僕の管理方法ですが、冬は強い凍結をさせないように、無加温の風除けの中に鉢を置いています。
2月から3月に入りますと、土の中からぽっこりと芽吹きが始まりますので、風通しの良い日向に鉢を置いてあげます。
2月下旬から4月上旬にかけて、次々と可憐なお花が咲いてくれます。
春の間に、次の春の花芽をつくりますので、置肥や液肥でしっかりと肥培します。
葉っぱをなるべく長く残してあげるために、5月の連休の頃には50%程度の遮光をしてあげています。
6月頃には、休眠に入るものがありますので、地上部がなくなったものから、順次、棚下や日陰に鉢を置いて、夏を涼しく過ごさせてあげます。
休眠中も、水やりを忘れないように、鉢の表面が乾いたらしっかりと水をあげてください。
夏の終わり頃8月の下旬から10月上旬までが植え替えの適期です。
【水やり】
春の芽吹きの頃は水切れさせないようにしっかりとあげています。
夏の休眠中にも水やりを忘れずに、表土が乾いたらしっかりと水やりをしています。
【病気と害虫】
アブラムシや青虫など
【用土と鉢】
用土は我が家の場合、赤玉土小4、鹿沼土小3、日向土小1.5、軽石小1.5、桐生砂少々です。
鉢は、山草鉢の中深鉢か、駄温鉢を使用しています。
【主な作業】
芽吹きが始まりましたら置肥と、花後には2000倍希釈の液肥を週に1回をして、肥培に努めます。
来年の花芽は葉っぱがある間に作られますので、この時が勝負です。
植え替えは、毎年ないしは2年に1回。
植え替え時には、元肥として4号鉢でマグアンプK大を15個程度、均等に並べて、直接根茎に触れないようにして施肥しています。
植え替え時の根茎は、表土から根茎の位置が、2~3cm程度になるように覆土しています。
また、種類によっては、石灰岩の小石を鉢の縁に置いておくと、スムーズな生長につながるようです。自生地でも、石灰岩のあるところで咲いているのを見かけます。
我が家では、ユキワリイチゲは10月下旬頃に芽吹きが始まり、葉っぱを展開したまま冬を越します。
ユキワリイチゲは動きだすのが早いため、8月下旬から9月上旬には植え替えを完了します。
また、ユキワリイチゲは、根茎にムカゴが出来ますので、植え替えの時に、一緒に播いておきますと、ムカゴからも新しい根茎が出来ます。
その他のイチゲの仲間たちも、10月には植え替えを済ませてあげます。
3月に入りますと、キクザキイチゲ、アズマイチゲ、イチリンソウ、ニリンソウと次々と芽吹きが始まり、可憐なお花を咲かせてくれます。
ニリンソウなどは育てやすいお花です。
春の訪れを告げてくれる可憐な春の妖精たち。ぜひ、育ててみてください。
山歩きが好きで、可憐な山のお花たちに魅かれて、自宅のわずかなスペースで、山野草を育てて楽しませてもらっています。
春の山歩きで出会えます、春の訪れを告げてくれます、可憐な春の妖精のような、ユキワリイチゲやニリンソウ、キクザキイチゲ、アズマイチゲたち。
スプリング・エフェメラル(春のはかないもの)とも呼ばれます、可憐なイチゲの仲間たちの、我が家での一年をレポートさせていただきます。