1.1-1) 側面がまっすぐな鉢
まずは、横から見ると台形に見える、最もありふれた形状の植木鉢の場合。(写真の鉢は、外面は側面がザラザラのデコボコに見えていますが、内面の方はツルツルで平らになっています。)
2.1-2) 固定具その1 (3面支持型)
支柱用の被覆鉄線を、鉢の内壁に沿うような形に曲げ、その先に、株を括りつける部分を作ります。
・・・でも、それだけだと、設置した後でぐらついてしまいそうですよね。
そこで、一旦はぴったりフィットに作った固定具を、少しだけ左右に広げるように変形させるのです。
その際、底面に接する直線部分がつられて変形してしまわないように(アーチ状に盛り上がり易いので)気を付けてください。
3.1-3) 鉢にはまった固定具その1
1-2 で作った固定具を、手で軽く押して閉じながら鉢に押し込みます。(「軽く」とは、「手を放したら元に戻る程度の力で」ということ。)
すると、固定具がバネのように突っ張り、植木鉢の内壁にカッチリと固定されます。
ちゃんと固定できることが確認できたら、固定具を取り出し、株をビニタイで括り付け、鉢に据えます。固定具と鉢との間に根を挟まないように気をつけます。
4.2-1) 側面が丸みを帯びた鉢
側面がこのように丸みを帯びた鉢では、側面全体にぴったりフィットする固定具を作るのは至難の業です。
5.2-2) 固定具その2 (4点支持型)
側面全体にフィットさせるのは難しいため、このような形状の固定具を作り、上下左右の4点で突っ張らせます。
一旦ぴったりサイズに作り、それを左右に広げる要領は 1-2 と同じ。
ただし、この形の場合、上の2点だけ突っ張って下がブラブラ、とか、3点は突っ張ってるけど1点が浮いてる、とかいうような状態になりがちなため、4点ともちゃんと突っ張るように調整するのは少々手間を要します。
6.2-3) 鉢にはまった固定具その2
1-3 と同じ要領で固定具を鉢に据えます。
4点ともちゃんと突っ張っていることを指でつついて確かめます。固定具を掴んで持ち上げると鉢ごと持ち上がり、少し位なら揺すっても落ちない状態が理想です。
しっかり固定できることが確認できたら、固定具を取り出し、真ん中の隙間にビニタイで株を括りつけて鉢に据えます。
(ちなみに、写真の固定具は、真ん中の隙間が広過ぎたため、後で直しました。)
7.3) 固定具その3 (3点支持型)
鉢の形状さえ合えば(底面中央に引っ掛かる場所がある鉢)、T字形の「その3(3点支持型)」もお薦めです。
底面中央と上層部左右の3点で支持します。
T字形固定具の良さは、中央の柱に根を巻きつけることができ、根をまとめ易いことです。
8.4) 固定された株
完成はこんな仕上がりです。
(固定具「その3」使用。)
9.補足事項(1)
サビに注意。
鉄線の末端部分は、小さなループ状に曲げて手や植物や鉢を傷つけないようにしますが、このループは完全に閉じた輪にはせず、少し隙間を空けておいてください。
そうしないと、水やりの度にここに水滴が長時間乾かずに残り、サビを含んだ赤水を生じて根を傷める恐れがあります。
10.補足事項(2)
バンダを鉢植えにする際の注意。
鉢は根が貼り付きにくい内面がツルツルのプラ鉢を使います。
根が混み過ぎると根腐れを起こすので、定期的(1~2年に一度)な植替が必須です。
写真の株は、4号鉢に植えて3年位?植替をしなかったら、ひどく根が傷んでこんなボロボロになってしまいました。現在は5号鉢に植替えて順調に回復中です。(写真は植替後に撮影、固定具は「その2」)
根を剥き出しにして育てるバンダ類を、植木鉢に固定する方法を紹介します。(こちらは2015年版。2016年版もあるので併せてご覧ください。)
支柱用の被覆鉄線を使います。
鉢の中で突っ張るバネの力を生むためには、なるべく太い鉄線が適しています。でも、加工するには細い方が適しています。ペンチで容易に曲げることができ、素手でもある程度変形させることが可能な、3ミリ径程度の鉄線が最適でしょう。