1.古い用土を掻き出す
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用土の「部分的植え替え」なので、絶対に張ってる根に触れないようにしなきゃいけません。
植物にとって根は動物の内臓に当ります。
いじる時は細心の注意を払わなきゃなりませぬ。
一般的に多肉植物はサボテン類と違い、根をイジメられるのを嫌いますし、用土も新しい土に拒否反応を起こす場合があります。
植え替え時はかならず元の古い用土を何割か残す事が大切です。
ここが多肉の植え替えのコツですね。
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2.調合した新しい用土を慎重に入れてゆく
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入れてゆく新しい土は、腐葉質:砂礫=4:1
普通に腐葉土にしようかとも思ったが、ここはアガベの根の強靭さに期待して、以前ホームセンターで買って置いた「バラの用土」を使用した。
根の弱い輸入物の多肉植物などに使用することは厳禁だが、国内で発根した掻き仔だろうから肥料分と保水性を重視して採用しました。
これまでの用土は、肥料分が微量の燻炭1割の用土、この子もビックリしたことでしょう。
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3.部分的植え替え完了
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これからは、標準的なアガベ栽培法に切り替えます。
生育期は夏~秋の高温季ですから表土がある程度乾いたらたっぷりと水やりして、1年に1回程度施肥もしなくちゃ。
もちろん緩効性肥料、それもかなり薄めてですが。
8年間も厳し過ぎる栽培法でイジメちゃったので、これからは伸び伸びと育てますよ。
ただし、徒長させるような甘やかしは慎みます。
この子のためにゃなりませぬから。
冬彦さ~ん!
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4.あれから半年、充実してます。
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オーナーの勝手な栽培方針転換で、辛目の水遣りからいきなり伸び伸び成長路線。
これが人間ならグレるとこだが、健気に下葉まで綺麗なまま保ってくれてる。
一般的な中〜大型アガベに比べ、寒さと夏の強光に弱い事を除けばまことに丈夫で、灌水の多寡で草姿の崩れもなく端正なロゼットを維持してくれる。
なんとも優秀な多肉植物、根強い人気は未だ衰えを知らず。
「王妃雷神錦」中斑が気品を纏う。
美しき哉。
5.🌿✨新葉がドンドン展開して来た
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👋😌正直アガベはそのほとんどは剛健種で、元気に育ったっていうだけじゃ自慢にもならねぇ。
💪🏻🌵✨暑さ寒さにも強く耐乾性もあり、痩せた土壌でも遜色なく立派に育つ。
🌴大型種はあったかい地方じゃ路地植えで傷みもせず繁茂するほど。
その中でも唯一この「王妃雷神錦」は寒さにやや弱く真夏の直射日光にも弱い☀️✨🌱💦
5月の今の時期でも不識布&ティッシュで遮光(遮光率約40%)⛱
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6.✨黄斑が出て来た ‘18 6/22
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🍀この王妃雷神錦は白中斑。
でも去年晩夏あたりから黄中斑の葉が出現。
今春には2枚目。
生育中途で斑色が変わるとは知らなかった。
この後どうなるか。
3月あたりから直射日光を避けティッシュペーパーをかけたのが影響したのか。
とすりゃぁ、アガベの斑の色は照度量に左右されるという事になる。
しかし、そんなことは聞いた事がない。
これはレアケースなのか。
いずれにせよ興味の尽きない。
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7.⛱酷暑のアガベ王妃雷神 ‘18 8/11
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未曾有の猛暑。
我々の地球の未来は暗い。
人類の浅はかさ、多くの種を道連れ。
そもそも、雷神は無斑、サイズも中型。
それがいつの頃か人間に採取され鉢植え栽培されてるうちにコンパクトに小型化し斑入りも出現して人気を得た。
しかし、それと引き換えに本来持ってたアガベとしての耐暑・耐寒性を失いトゲの強大さもなくした。
それを「王妃」と云う言葉で貧弱さを糊塗。
たしかに優美さは認めるが。
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8.🌺ロゼットの新葉は美しい
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本来アガベは蒸し暑さに強く葉焼けもしない。💪🏻🍀🌞
しかしそれはあくまで屋外の風通しがあるのが前提。
温室・フレームへ入れて密閉し、この猛暑の直射日光に晒せば高温になり葉はヤケドしてしまう。
また、この王妃雷神錦のような小型斑入り種は日焼けの危険が大きいのは頭に入れといた方がいい。
大型のリュウゼツランなどと同じに考えないことだ。
斑入り種は無斑の原種より脆弱と心得よ。
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9.🍀 そろそろ生育が鈍る頃
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秋が深まり、明け方の最低気温が15℃に近くなって来るとアガベは新葉の出現がゆっくりとなる。
とくに「王妃雷神錦」のような小型種は大型種に比べ寒さに弱い。
葉を霜や雪に当てないのはもちろん、根の張った鉢土を冷やさない方がいい。
真冬に吹きっ晒しのベランダに放置するなど論外、昼間の陽当たりの良い場所で日光浴は必須だがやはり夜間は室内へ取り込むべき。
ウチは小型フレームで冬越しだが。
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10.🍀アガベ栽培の実際
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大・中型種はおしなべて剛健。病害虫もほとんど無い。
ただし小型種は夏の直射日光と真冬の寒さに弱い。
それと、アガベ全般に云える事だが、植え替えで根を傷めると新根が出るまで過湿・乾かし過ぎ・寒さ・暑さ・直射日光など全てのストレスに弱くなる。
だから植え替え時に根をいじってはいけない。
サボテンとは根の性質が違うんだ。
サボテンが特殊だという事を頭において欲しい。
先入観は捨てるべし。
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11.明け方冷えて来たがまだ生育してるようだ
‘18 11/16撮影
アガベは、いわゆる「夏型」とされる植物で寒さに弱いというイメージがあるが、他の多肉に比べ特段弱いことはない。
各地でリュウゼツランが寒波の中でもダメージも受けず巨大な葉を展開してるのが散見される。
ただし小型アガベは少ない例外で、凍らさない限り枯れはしないが霜に当てたり雪を被せて寒いベランダなどに放置してると、生育を止めるのは当然、来春からの生育期にこじれてしまう。
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12.🍀💤さすがに休眠してるだろうな。
‘19.2/8撮影
最低気温が上下してるが、少なくも5℃を越える朝はほとんど無くなった。
今朝(2/9)なんか雪が予想されてるせいか5時々点で0℃。
サボテン用フレームの中は最近は明け方5℃を切るようになり、さすがのアガベもグッスリ休眠してるはず。
アガベは根が強いが冬の時季は吸水を止めてるので灌水は必要ない。
だが根の過度な乾燥を防ぐため10日に一度くらい暖かな日の午前中水やりしてる。
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13.🐮💧チョと乾かし過ぎたかも知んない。
‘19.3/18撮影
植え替え。
鉢から抜いて見ると鉢内に根が充満してたようだ。
ここまで根が回る前に植え替えするべきだった。
おまけに湯島臥牛ともあろう者が水切れさせてしまったようだ。
いかに植え替え前は鉢から抜きやすいよう乾かし気味にした方がいいとは云え「瞬間輿水」の間隔が空き過ぎた。
下葉のシワがそれを訴えてる。
例年、春の植え替え時期にこんなにシワが寄った事は無かった。
失敗。
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14.🍀💦まぁ、下葉が枯れるよりいいだろ。
‘19.3/20撮影
下葉は日焼けしてる。休眠期に光が強過ぎたかも。
ここ数年は環境は置く位置まで変えちゃいないのだが、日光が強くなったのか?
まさしく生き物、いつも同じコンディションとは限らないようだ。
想像するに、去年から今年にかけて暖冬でこいつも完全にゃ休眠せず代謝を継続してて、もう少し灌水をすべきだったのかも知れない。
下葉の萎縮もそうだが、全体的な色の燻みも去年より酷い。
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コンパクトに栽培するつもりでがんばりました。
用土も石英質の砂礫を7割、肥料質も燻炭の1割に留め、不足分は植え替えによる用土更新に期待。
急速な乾燥による細根の萎縮を防ぐための頻繁な水やり・栽培法を実践しました。
でもよくよく考えるとそれは人間のエゴ、好き勝手に飼育される植物にとってはたまったものじゃありませぬ。
反省してふつうの栽培法に切り替えます。
王妃雷神、今までゴメンね。
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