小笠原左衛門尉亮軒(ご隠居)×朝井まかて(直木賞作家)先進的でユニークだった「江戸の園芸」を語る。

対談風景

『NHK趣味の園芸』2018年1月号「新春対談」【番外編】

かたや「江戸の園芸」史料を蒐集し、そのエッセンスを探究するご隠居こと小笠原左衛門尉亮軒さん。こなた作家デビュー以前からご隠居のファンで、「江戸の園芸」研究を追いかけていた直木賞作家の朝井まかてさん。江戸の園芸文化に造詣が深い二人の特別対談が、『趣味の園芸』2018年1月号で実現しました。話題尽きない対談の「番外編」です。

幕末~明治、日本にやって来た外国人を驚嘆させた「江戸の園芸」。多彩に花開いた江戸の園芸を見つめると、魅力あふれる花好きたちが大活躍していました。「みんなの趣味の園芸」では、『趣味の園芸』1月号に収まりきらなかった「江戸の園芸」談義を公開します。

「和の植物」というとどこか古臭いように思われがちですが、さにあらず。「江戸の園芸」には現代のフラワーフェスティバルの原型や、今日では見ることができない園芸植物、はたまたオープンガーデンの試みなどが登場します。さらにビックリなのは、「日本史の教科書で超有名な‘あの人’が園芸愛の人だった!?」といった情報も……。ご隠居とまかてさんが繰り広げる、興味尽きない「江戸の園芸」番外編の全3回をどうぞお楽しみください。

目次

其の壱、染井・霧島屋の伊藤伊兵衛、カエデに注いだ情熱

其の弐、江戸・染井のオープンガーデン

其の参、松平定信と前田利保~花が教える江戸の趣味人たち


小笠原左衛門尉亮軒

小笠原左衛門尉亮軒(おがさわら さえもんのじょう りょうけん)

園芸研究家。1933年、名古屋生まれ。(公社)園芸文化協会会長。(一財)「雑花園文庫」庫主。京都大学古曽部園芸場を経て、1957年、名古屋園芸創業(現在、取締役隠居)。

「NHK趣味の園芸」講師を長く務め、執筆や講演活動を通じて家庭園芸の普及に尽力する。一方、江戸期以降の日本の園芸書や絵画を蒐集し、研究に勤しんでいる。主な著書に『江戸の花競べ―園芸文化の到来』、『江戸の園芸・平成のガーデニング―プロが教える園芸秘伝』など。

朝井まかて

朝井まかて(あさい まかて)

作家。1959年、大阪生まれ。2014年、『恋歌(れんか)』で第150回直木賞、『阿蘭陀西鶴(おらんださいかく)』で第31回織田作之助賞を受賞。2015年には『すかたん』が第3回Osaka Project選定作となる。

作家になる前から小笠原左衛門尉亮軒ご隠居のファンで、「江戸の園芸」研究を追いかけていた。デビュー作は『実さえ花さえ』(2008年、第3回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞作、のち『花競べ(はなくらべ)』に改題、)。その他、『ちゃんちゃら』、『先生のお庭番』、『御松茸騒動』、『落陽』など園芸文化を題材にした作品を多く発表している。また、葛飾応為を題材にした『眩(くらら)』で第22回中山義秀文学賞を受賞、2017年9月にNHKでドラマ化、放送された。


『趣味の園芸』2018年1月号「新春対談」で掲載した図版

1月号の対談本編(p.64~67)に掲載した図版を紹介します。

歳旦刷りもの
伊勢浜風狂歌、喜多川歌麿画の「歳旦刷りもの」
「かれたちてくれにし年の切口に春をつぎほのむめのはつ花」。当時、「うめ」を「むめ」と表現されることも多かった(雑花園文庫蔵)
菊花尽画巻
村田三仲斎蘭窓画『菊花尽画巻』
当時、栽培されていた多種多様なキクが収載され、元禄17年(1704年)の稿本。俳諧師の大淀三千風が序文を寄せている(雑花園文庫蔵)
花壇養菊集
志水閑事『花壇養菊集』
正徳4年(1714年)刊の3冊本。キクづくり栽培手引き、挿画、京都円山で開催されたキクの花持ち寄り展示会風景と内容が続いていく(雑花園文庫蔵)

『趣味の園芸』2018年1月号

テキスト『趣味の園芸』1月号の対談本編(p.64~67)では、キクやアサガオ、サクラソウ、ツバキといった園芸植物を愛好し、園芸の腕を競い合った江戸の花好きたちにフォーカス。キクの記録をひも解き、身分の垣根を越えていく教養豊かな花好きの姿を追いかけます。「番外編」とあわせてお楽しみください。

撮影/牧 稔人
取材協力/名古屋園芸、雑花園文庫

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