緑のカーテンのつくり方
緑のカーテンで一番人気のゴーヤーを例に、植えつけから収穫までを追ってみました。庭やベランダの形態に合わせてアレンジしてみてください。
ゴーヤーの緑のカーテンのつくり方
適期にタネをまいたり苗を植えつけたりすれば、ぐんぐんつるが伸びて葉が茂り、真夏にはテラスやベランダを覆う葉っぱのシェードに。夏の強い直射日光をカットします。外部からの視線も葉がやわらかに遮ってくれるので、普通のカーテン同様、目隠しの役割も果たします。
取材協力:吉田園芸

- ゴーヤーの苗
- つるもの用ネット
- 支柱
- 肥料
- 苦土石灰

- 植えつけの1週間前に、以前にゴーヤーなどウリ科の植物を植えていない場所を選んでよく耕し、苦土石灰を100g/m施してよく混ぜてなじませる。

- 次に、堆肥2kg/m、化成肥料(N-P-K=8-8-8)100g/mを混ぜて、よく耕しておく。

- つるもの用ネットに支柱を通したものを設置する。倒れないように、フックや雨樋の金具などに、ワイヤーでしっかり留めておくとよい。

- 根鉢がすっぽり入る大きさの植え穴を30~50cm間隔に掘り、水を注ぐ。

- 水がひいたら、ポット苗から取り出したゴーヤーの苗を植え穴に据えて植える。

- 株元の土をしっかり押さえ、根鉢と土をしっかり密着させて、植えつけ完了。


- 植えつけ2週間後、本葉7〜8枚のころに、主枝の先端を切ってわき芽が伸びるのを促す。

- 同時に化成肥料(N-P-K=8-8-8)30g/mを追肥する。以降、2週間に1回、同様の追肥をする。

- 以降、伸びた子づるをこまめに等間隔になるよう誘引する。ところどころ、ひもで結び留めてもよい。すき間なく葉で面を埋めるようにつるを配置するのがコツ。

- つるがよく伸びて、雨樋や電線などに絡みつかないように注意し、伸びすぎたものは適宜切っておく。

- ゴーヤーの緑のカーテンが完成。ゴーヤーは雄花と雌花が別に咲く。最初のころは雄花が多く咲くが、株が充実して、子づるや孫づるが伸びてくると、雌花も咲くようになる。

- 開花から20〜25日後が収穫適期。短い品種は20cm程度、長い品種は30cmほどをサイズの目安にし、つけ根で切って収穫する。高い位置にある実は、高枝切りバサミと補虫ネットを使うのもよい。
緑のカーテンの管理のポイント

- 苗の生育初期は、株にしっかり日光を当て、つるが伸びてきたら株元よりも、葉に日が当たるようにします。なお、盛夏になったら、プランター自体に直射日光が当たらないようにすると、必要以上の乾燥や、暑さで根が傷むのを防ぐことができます。

- 緑のカーテンに利用する植物は、短期間に成長するタイプ。適量の元肥を施したあとは、1~2週に1回、液体肥料などを定期的に施して、肥料切れさせないように育てることが大切です。

- 緑のカーテンは日陰をつくるほか、植物の葉の蒸散作用によって輻射熱が抑えられて、涼しさを得ることができます。気温が高くなればなるほど、活発に蒸散が行われるため、植物はたくさん水を吸収します。庭植えのものでも盛夏は、葉がしおれるようなら朝晩に水やりをするとよいでしょう。プランター植えのものは、土の表面が乾いたら水を与えます。盛夏は朝晩の水やりが欠かせません。
なお、旅行などで長期間留守にする場合は、自動灌水器などを利用するとよいでしょう。

- 多くの植物に発生するアブラムシは、緑のカーテン植物でも見られます。真夏は少なく、春や秋が発生しやすい時期です。特に新芽や蕾はよくチェックして、数が少ないうちに捕殺するか、適用薬剤を散布します。
風通しが悪く、乾燥した環境では、うどんこ病が発生しやすくなります。特に昼夜の気温差が大きい植えつけ直後の晩春は、注意が必要です。
そのほかヨトウムシ、スズメガの幼虫などが葉を食害することがあります。適用薬剤を散布するか、若齢幼虫のうちに捕殺しましょう。

- 晩夏になると台風が発生します。強風や強雨によってカーテンに仕立てた植物が傷むことや、支柱が倒れたり折れたりすることがあります。そこで、ネットを取り外せるように設置しておくと便利です。台風が接近したらネットを下ろしてそっと畳んでおき、去ったあとに再び設置し直すほうが、つるや茎の傷みを最小限に抑えることができます。

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