今、熱い植物「原種ベゴニア」

ベゴニア・ダースベイダリアナ
ベゴニア・ダースベイダリアナ(Begonia darthvaderiana)ビロード状の葉は見る角度や光の加減により、漆黒にも暗赤色にも見える

第9回 原種ベゴニア、百葉繚乱 ― 今、熱い植物アーカイブ

熱帯雨林の奥に秘められたまだ見ぬ新種

関西で熱帯雨林や熱帯の渓流に育つ植物の人気が高まっている。関西には熱帯魚飼育や水草水槽に使う、水槽を使って育てる植物を扱う個人店が多く存在し、そうしたところから火がついていったといわれている。今回取り上げる原種ベゴニアや7月号で取り上げたアグラオネマ・ピクタムもそうしたものの一つだ。

「原種のベゴニア(シュウカイドウ属)はオーストラリア大陸を除く全世界から現在2000種が記載(*)されていますが、さらに毎月のように新種が見つかっています。未記載のものも多くこれからまだ1000以上の種が新たに見つかるのでは、ともいわれています」

そう語るのは、自身もサトイモ科をはじめ新種をいくつも発見してきた植物採集家の長谷圭祐さん。

ベゴニアはこれだけ多くの種がすでにあり、見た目も多種多様。株姿や葉の形状、質感、色彩も多様なバリエーションがある。さらに新しい種類がまだまだ見つかるという発展途上の躍動感に魅力を感じる人も少なくない。

上写真のベゴニア・ダースベイダリアナも、そうした新しく発見されたベゴニアの一つ。ビロード状の葉は見る角度や光の加減により、漆黒にも暗赤色にも見え、そのまわりは白~黄色の斑で縁取られている。

「まだ、ほんの数年前に発見、記載されたばかりの種類で、まだうまく育てられないこともあります。でも、どう栽培したらよいのかわからない種類を、育てこなしていくのも、植物を育てる楽しみの一つじゃないですかね」

*新種の動植物が発見されると、論文などに記載、発表することで新種として認められる。こうした論文への記載がないものは未記載種という。


長谷圭祐

長谷圭祐(はせ・けいすけ)

植物採集家。大阪を拠点に、主に東南アジアなどで植物の採集活動を行い、新種の発見などの実績もある。熱狂的な人気を誇る植物イベント「ボーダーブレイク」の主宰も務める。


いろいろな原種ベゴニア

ベゴニアの一種 ジュラウ
ベゴニアの一種 ジュラウ Begonia sp ‘Julau'
ボルネオ島北西部に自生。葉の縁と葉脈の間に入る、メタリックな光沢をもつピンクの斑が美しい種類。ベゴニア・アミダラエと近い性質をもつ。
ベゴニア・ブランキイ
ベゴニア・ブランキイ Begonia blancii
壁面緑化で知られる植物学者兼アーティスト、パトリック・ブランがフィリピンで発見した種類。2011年記載。
ベゴニア・アミダラエ
ベゴニア・アミダラエ Begonia amidalae
ベゴニア・ダースベイダリアナ(ページ上写真)と同時に新種記載された。ボルネオ島固有種。
ベゴニア・メラノブラータ
ベゴニア・メラノブラータ Begonia melanobullata
ベトナム原産。葉の全体に毛の生えたとげが生える。

撮影/田中雅也 編集/土屋 悟

『NHK趣味の園芸』テキスト大好評連載「今、熱い植物」アーカイブ
この記事は『趣味の園芸』2017年12月号「今、熱い植物」を編集、抜粋したものです。

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