第17回 多肉のタネまき事始め…アナカンプセロス ― 今、熱い植物アーカイブ
幅広い層から人気の高い多肉植物。100円ショップで買える手ごろなものから数万円もするものまで、さまざまな価格帯のものが販売されている。楽しみ方も、1株で植えて育てるだけでなく、カラフルなエケベリアやセダムを寄せ植えにするなど、好みに応じた楽しみ方ができるのもうれしいところ。
すでに株になっている多肉植物を育てるだけでなく、自分でタネをまいて実生株をつくることも盛んになってきている。
「もともと、サボテン、多肉植物のマニアは自分でタネをまいてふやしたり、変わった個体をつくったりということはやっていました。でも最近は、サボテン、多肉植物を育て始めて1~2年目という人もタネをまき始めています」
そう教えてくれたのは、奈良県で多肉植物の生産を行っている、松岡修一さん。
「パキポディウムなどのコーデックスやサボテン、ユーフォルビアや亀甲竜など、人気の種類のタネをまく人がとてもふえてきています。自家採種したものだけでなく、ネットで販売されているものを手に入れてタネをまく人もいます」
今は、ウェブやSNSなどで、ほかの人がどんなことをしているのかがよく見える。栽培上級者がやっているのを見て、見よう見まねでタネをまいている人も多いようだ。
「しかし、タネから芽が出なかったりと失敗している人も少なくありません。そんな人におすすめしたいのが、アナカンプセロスです」
アナカンプセロスといわれてピンとこない人も、‘桜吹雪’と聞けばわかるかもしれない。
「‘桜吹雪’は華やかなピンク色の葉が特徴で、育てやすい種類。そのほかの種類は日本ではあまり紹介されていませんが、栽培難易度はそれほど変わりません。
アナカンプセロスに共通なのは、花が咲きやすく採種も簡単なこと。しかもタネをまいてから発芽までに時間がかからず、発芽率も高いんです。まさに多肉植物のタネまき入門にうってつけの種類なんです」
松岡修一(まつおか・しゅういち)
多肉植物栽培家。花苗農家に生まれ、幼少のころから植物に親しむ。園芸専門学校で学んだのち、自らの農場を立ち上げ、奈良県で多肉植物の生産を行う。独自の交配品種の作出や新種、新品種の導入も手がける。
撮影/田中雅也 編集/土屋 悟 撮影協力/たにっくん工房
『NHK趣味の園芸』テキスト大好評連載「今、熱い植物」アーカイブ
この記事は『趣味の園芸』2018年8月号「今、熱い植物」を編集、抜粋したものです。
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