ハダニ

善林六朗[園芸研究家]

初期症状
葉や花弁に、小さな白色や褐色などの斑点を生じる。葉や花弁の裏などにハダニが寄生している。
進行したとき
葉は白っぽくなり、落ちたり枯れたりする。葉や茎などに多数寄生し、クモの巣状の糸を張ることもある。

ハダニとは?

 ハダニはダニの仲間で、脚が8本あり、クモに近い動物です。草花、野菜、果樹、庭木など広範囲の植物に寄生します。大部分の種類は体長が0.3~0.5mmくらいで、とても小さく、肉眼では注意しないと見つけにくいでしょう。成虫は主に葉裏に丸い卵を産み、ふ化するとクモに似た形の幼虫となります。幼虫は葉などの組織から養分を吸い、成長して成虫になります。

▼葉が白っぽくなり、生育不良になる

 ハダニは、葉や花などに、針に似た口を刺し込んで汁を吸うので、その跡が白色や褐色などの斑点になります。多数寄生すると、葉全体が白っぽくなり、植物の生育が悪くなります。また、花色が悪くなったり、花が咲く期間が短くなったりします。多く寄生すると、ハダニの出す糸で植物にクモの巣を張ったようになったり、落葉したり、蕾が開花しなかったり、植物が枯れたりすることもあります。そのため、野菜や果樹では収穫量が減り品質が低下します。草花や庭木では観賞価値も下がります。

▼高温乾燥のときに盛んに繁殖する

 ハダニの種類は多くありますが、主なものには、体が黄緑色のナミハダニ、体が赤色のカンザワハダニなどがあります。いずれも高温乾燥を好み、梅雨明けから9月ごろにかけて繁殖が盛んで、短期間のうちに大量に発生します。

▼寄生のない苗や鉢植えの栽培が大切

 防除には、まず、寄生や食害痕のない株の入手が大切です。雑草はハダニの発生源となるので、植えつけや鉢を置く前に、育てる場所やその周辺の雑草を除去しておきます。ハダニは乾燥に強いけれども水に弱いので、ホースなどで水を強くかけると、寄生数を減らせます。薬剤で防除する場合は、高い効果を得るために数種類の薬剤を用意し、発生時に順番に散布します。

薬剤を使用する際は、その薬剤の使用条件が、対象植物、病気や害虫、防除したい方法と合っていることを、ラベルなどで確認してください。
ナミハダニの成虫と乳白色の卵
ナミハダニの成虫と乳白色の卵。
ナミハダニの加害で、全面が白っぽくなった青ジソの葉
ナミハダニの加害で、全面が白っぽくなった青ジソの葉。
カンザワハダニの成虫
カンザワハダニの成虫。
カンザワハダニが糸を張って寄生しているセージの葉
カンザワハダニが糸を張って寄生しているセージの葉。

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