善林六朗[園芸研究家]
てんぐ巣病は、樹木、野菜、草花などに発生します。発病すると、枝や茎の1か所または株元から、小枝や小さな葉をたくさん生じます。病名は、その症状が、言い伝えで天狗のすみかとされる場所に似ることに由来し、その部分を「てんぐ巣状」と呼んでいます。病原は二つあり、一つは糸状菌(カビの仲間)の一種で、樹木に感染します。もう一つはファイトプラズマという細菌で、主に野菜や草花などに感染します。
樹木の場合は枝の一部が発病し、枝から小枝がたくさん生じて、てんぐ巣状になります。小枝にはほとんど花芽がつかず、葉も貧弱です。発病部はこぶ状になり、その先の枝の生育が悪くなります。そのため、発病が多いと樹木の生育が悪くなります。
野菜や草花などの場合は、葉が黄色くなって株は萎縮し、株元や茎から葉柄が短い小さな葉を生じるうえ、花もつかないか少なく、株の生育が極端に悪くなります。
糸状菌による病気は、周辺から飛んできた病原菌の胞子が枝に感染すると起こります。病気は徐々に進行し、2~3年後に明瞭な病状が現れます。てんぐ巣状の小枝の葉裏に胞子ができて伝染源になります。
ファイトプラズマによる病気は、昆虫(ヨコバイ類)の媒介によって起こります。春から秋にかけて、病気の植物の汁を吸って病原菌をもった虫が植物に飛来し、汁を吸うときに病原菌が伝染します。
樹木では、てんぐ巣状の小枝を発見したら、基部のこぶの部分も含めて枝を切り、ゴミとして処分します。落葉樹の場合は、特に冬に見つけやすく、病気の早期発見にもなります。薬剤を使う場合は、樹木の切り口にペースト剤を塗って、糸状菌の感染を防ぎます。
野菜や草花などは、周辺への伝染を防ぐため、発病株は見つけしだい抜き取ります。
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