花の個性が際立つ「秋バラ観賞のすすめ」~京成バラ園の歩き方
秋バラを楽しめる10月を迎えました。冷涼な気候のなかで咲く秋バラは、初夏のバラとはひと味、違った風情があります。「趣味の園芸」でおなじみ、京成バラ園芸の村上敏さんに、秋バラの見どころを聞いてみました。
〈開花〉
「冷涼な秋は花がじっくりと咲くことから、大きなバラの花を長く楽しめます。花弁の数が多い'春乃'や'快挙'といったバラは、咲き進むにつれてボリューム感あふれる花になります。秋ならではの姿といえます」
〈花色〉
「秋は一日の寒暖差が大きくなり、花色が濃くなります。とりわけ赤はきれいに出てきます。また日差しが弱くなる分、黄色も濃くなります。バラの赤や黄が初夏の花よりも強くなるのが、秋の花の面白さです。アプリコット色が特徴の'ボレロ'や'フレグラント・アプリコット'といったバラは、この時期ならではの色彩を見せてくれます」
〈香り〉
「秋のバラでうれしいのは香りが飛ばないところです。初夏のバラの場合、午前中早めでなければ香りを楽しめませんが、秋バラの場合、昼過ぎでも十分に香りを味わうことができます。京成バラ園の場合、噴水(エデンの泉)の周囲に数多く、香りのバラがありますから、いろいろな香りの違いをくらべることができます」
今年、第17回世界バラ会議で優秀庭園賞を受賞した京成バラ園。村上さんによれば、秋バラの見頃は10月中旬から下旬になるそうです。個性豊かな秋バラとの出合いが待ち遠しい今日この頃です。
写真提供:京成バラ園
「みんなのバラ写真」で秋バラを観賞しよう!【みんなのバラ百科】
(元『趣味の園芸』編集長 原田)
--------------------------------------------------------------
【園芸LOVE 原田が行く】は、「みんなの趣味の園芸」スタッフであり『趣味の園芸』テキスト元編集長の原田による園芸エッセイです。