園芸の力、植物の力~「ベルガーデン水曜クラブ」体験
「園芸療法」という言葉を、読者の皆さんもどこかで見たり聞いたりしたことがあるのではないでしょうか。その園芸療法を取り入れた活動を体験したいと、「ベルガーデン水曜クラブ」を訪ねました。
ベルガーデン水曜クラブは高齢者向けのサロンとして、NPO法人日本園芸療法研修会が横浜市泉区で行っている活動です。
園芸療法を取り入れ、4月から11月は泉区内で借りている約300坪の庭(ベルガーデンと名づけられている)で花や野菜を栽培し、12月から3月は横浜市踊場地域ケアプラザの一室で花や野菜を題材として活動しています。
主宰する澤田みどりさんによると、「高齢者を中心に多彩なボランティアが集まり、2005年にスタートして10年、四季の移り変わりを感じながら植物を育て、開花や収穫を楽しみ、園芸生活の喜びを仲間と共有し語り合う場になっている」そうです。
訪問した当日はクリスマスリースづくりの日でした。夏季、ベルガーデンで育てたサツマイモのつるを再利用し、乾燥させたものを土台のリングにして、そこに針葉樹の葉やクリスマスオーナメントをアレンジしていく作業です。
参加しているのは主に80歳代から90歳代という皆さん。その一人ひとりが仕上がりをイメージしながら材料をデザインしています。その手さばきは軽快で、細かなところも丁寧に作っていきます。途中、隣同士で作品を見せ合ったり、互いに手伝ったり、そこにボランティアが加わったり......と、賑やかなひとときでした。作業をすること1時間ほど、次々と個性豊かなクリスマスリースが出来上がっていきました。
日本園芸療法研修会を設立して活動をスタートさせたのが1995年。澤田さんは、園芸療法について「生きる力をつけること」を重視して活動しているといいます。その言葉どおり、参加者の生き生きとした表情やコミュニケーション風景を見ていると、パートナーとしての植物の存在や園芸の力を考えずにはいられませんでした。
取材協力:横浜市踊場地域ケアプラザ/日本園芸療法研修会
●NPO法人 日本園芸療法研修会 http://www.jhts.jp
(元『趣味の園芸』編集長 原田)
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【園芸LOVE 原田が行く】は、「みんなの趣味の園芸」スタッフであり『趣味の園芸』テキスト元編集長の原田による園芸エッセイです。