美しいローズガーデンを支える冬の地道な手入れ

つるバラの剪定と誘引は年末に行われていた

以前、冬の寒い日に公益財団法人日本ばら会の高木絢子さんを訪ねたときのことです。

静かな住宅街を抜けると、いつもならば華やかな景色を見せてくれる高木さんのローズガーデンが、冬の装いに包まれていました。

開花期にはバラの花が咲き乱れるローズガーデンですが、そのときは落葉し、枝が剪定されていました。

とても印象的だったのは、葉が茂り、花が咲いているときはなかなか見ることできない株もとの土の様子でした。どこか畑のように見えるのです。何か秘密がありそうで、昨年末、改めて高木さんを訪ねました。

「高木さん、ローズガーデンが畑みたいになっていますね」（小生）

「バラは冬の手入れがとても大切なのです。年末に肥料を施して、雑草もきれいに取り除いてやります。剪定と誘引もこの時期に済ませておかなければなりません。そうするとこんな風景になるのです。あなたもバラの手入れをなさいましたか？」（高木さん）

（「高木さん、小生が育てているつる性のバラ・コーネリアは、正月休みに剪定、誘引しました！」）

「美しいローズガーデンの背後に冬の地道な手入れあり！」。

バラ栽培で重要な冬の作業は厳寒期と重なります。しかし、その寒い時期に行う地道な手入れがあればこそ、初夏の美しい開花を待ちわびることができる――

どこか畑のように見えた高木さんのローズガーデンは、そのことを物語っていたのでした。

さて、植えつけ、植え替え、剪定、誘引、寒肥――。冬期はバラの手入れの適期です。みなさんは、バラの手入れをもう済ませているでしょうか。

（元『趣味の園芸』編集長　原田）

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【園芸LOVE 原田が行く】は、「みんなの趣味の園芸」スタッフであり『趣味の園芸』テキスト元編集長の原田による園芸エッセイです。

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