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「盆栽」のすすめ~2月11日「国際盆栽シンポジウム」レポート

「盆栽」のすすめ~2月11日「国際盆栽シンポジウム」レポート
2月11日、「国際盆栽シンポジウム」が開催され、会場は満席だった

2月11日、よみうり大手町ホールで開催された「国際盆栽シンポジウム」を聴講し、豊かな気持ちになりました。

 

大原美術館館長・高階秀爾さんの基調講演に始まり、狂言和泉流野村万蔵家当主・九世野村万蔵さんによる狂言「盆山」(和泉流)、埼玉大学准教授の石上城行さん進行によるパネルディスカッション(パネリストは高階さん、日本盆栽協会の竹山浩さん、前NHK趣味の園芸キャスターの山田香織さん、イタリア・エウガネア盆栽協会のエドアルド・ロッシさん、写真家の桐島ローランドさん)、そしてさいたま市大宮盆栽美術館学芸員の田口文哉さんによる盆栽の歴史概説といった内容でした。

 

 

満席の会場の空気が和んだのは、九世野村万蔵さんによる和泉流狂言「盆山」。

狂言は主に能と一緒に演じられた中世日本人の笑いの芸能です。

 

盆山(石付き盆栽)が都で流行っているという設定。盆山がほしくてコレクターの庭に盗みに入った男が見つかり、盆山の陰に隠れたものの、持ち主からモノまねをさせられるという10分余りの内容です。

 

「狂言『盆山』が成立したのは室町時代。当時、武士たちを中心に今日の石付き盆栽にあたる盆山が定着していたことがわかる作品です」(田口文哉さん)。

 

舞台に盆山そのものはありませんが、どんな盆山があるか想像しながら盗人と持ち主の滑稽なやり取りを観ていると、盆栽の新たな親しみ方を感じました。

 

 

注目したのはエドアルド・ロッシさんの盆栽に対する見識でした。

 

「盆栽を育てるとは自分の生き方を見つめること。自分を極めるにはどう生きたらよいか、完成がないといわれる盆栽を育てていると、木と何年も向き合うことの価値を感じます。こうした文化は西欧にはありません」(エドアルド・ロッシさん)。

 

盆栽の魅力を海外の視点から再発見するロッシさんのメッセージ。慌ただしく生活する今だからこそ盆栽の存在価値がクローズアップされ、豊かな気持ちになってしまいました。

 

取材協力:さいたま市大宮盆栽美術館

 

 

(元『趣味の園芸』編集長 原田)

 

 

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【園芸LOVE 原田が行く】は、「みんなの趣味の園芸」スタッフであり『趣味の園芸』テキスト元編集長の原田による園芸エッセイです。

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