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里の春、スミレの花が咲いている~すみれの集い「日本のスミレ展」から

里の春、スミレの花が咲いている~すみれの集い「日本のスミレ展」から
タチツボスミレ(Viola grypoceras)。桜丘すみれば自然庭園の入り口付近でたくさん咲いていた

サクラが咲き、春爛漫。つい頭上の桜色に目を奪われがちですが、足元には可憐なスミレがあちらこちらで咲いています。

 

豪華なサクラの一方で、路傍や空き地で咲く紫や青紫色のスミレの花も春の風情を醸し出しています。諸兄諸姉のなかには、子どもの頃、スミレの花を摘んで遊んだという思い出を持つ方も多いのではないでしょうか。

 

身近なところで咲くスミレは日本人に親しまれてきたことを物語るように、この時期、各地でスミレの展示会が開催され、多彩な花を見ることができます。

 

小生も世田谷・桜丘すみれば自然庭園で行われていた、すみれの集いによる「日本のスミレ展」を訪ねました(展示会は4月2日で終了)。

 

スミレの仲間(Viola)は種類が豊富です。見分けにくいことも多く、いつの間にか花のなかを覗き込んでしまいます。『園芸大事典』をひも解くと、世界中に分布するスミレは、450種ほどが知られていると記されていました(16頁にわたって解説されています)。

 

また、すみれの集い入会案内には、「日本はスミレ王国といわれ、基本種57種、変種などを加えると300種以上のスミレが存在する」とあります(会員の方の話では、高い山や海岸の砂地などに足を運び、スミレ観察会をしているということでした)。

 

青紫色のタチツボスミレがたくさん出迎えてくれた桜丘すみれば自然庭園。屋内の展示には、スミレの和名を持つ美しい紫花のマンシュリカ、その傍らに黄花のオオバキスミレ、白花のタチツボスミレ......。会員の方がタネから育てて咲かせた里山系のスミレや高山系のスミレ、外国産のスミレが並んでいました。

 

さらにはフォトジェニックなスミレの写真、ボタニカルアート等々、スミレ園芸の楽しみの数々がずらり。その奥行きの深さとともに、会員の方による スミレ愛あふれる説明に時間を忘れてしまうほどでした。

 

丈夫で美しくてコンパクトな草姿、 そして豊かな季節感――。スミレにはサクラとはまた違った春の趣きがあります。

 

 

取材協力:すみれの集い

 

●スミレに関する植物図鑑

スミレタチツボスミレエイザンスミレニオイスミレ

 

 

(元『趣味の園芸』編集長 原田)

 

 

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【園芸LOVE 原田が行く】は、「みんなの趣味の園芸」スタッフであり『趣味の園芸』テキスト元編集長の原田による園芸エッセイです。

里の春、スミレの花が咲いている~すみれの集い「日本のスミレ展」から
スミレ(V.mandshurica)。和名でスミレと呼ばれるのがマンシュリカ種。深い紫色の花が美しい
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白花タチツボスミレ。青紫色のタチツボスミレはよく見かけるが、白花種が展示されていた
里の春、スミレの花が咲いている~すみれの集い「日本のスミレ展」から
オオバキスミレ(V.brevistipulata)。濃い黄色が印象的だった
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ノジスミレ(V.yedoensis)。平鉢で寄せ植えにすると趣きがさらに増す
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エイザンスミレ(V.eizanensis)。ほかのスミレとは違い、葉が細く分かれている
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コスミレ(V.japonica)。種名にヤポニカの名が付いている
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道端のパンジー。スミレの仲間はアスファルトやコンクリートのすき間でも花を咲かせるというが……

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