"バラのパトロン"ジョゼフィーヌの貢献~第18回国際バラとガーデニングショウ
心浮き立つバラの5月。
今年も5月13日~18日、「第18回国際バラとガーデニングショウ」が西武プリンスドームで行われます。今回、楽しみな展示の一つに、「ジョゼフィーヌが愛したマルメゾン城 バラの館」があります。
バラの歴史を語るとき必ず名前が挙がる、ナポレオン1世の皇后ジョゼフィーヌ(1763~1814)。彼女は自ら暮らしたパリ郊外のマルメゾン城庭園に、バラをはじめ多くの植物をコレクションしたことはよく知られています。また庇護を受けた画家ルドゥーテは庭園の花を描き、『レ・ローズ(Les Roses)』を残しました。
"バラのパトロン"あるいは"万花の守護聖徒"と称えられるジョゼフィーヌ。その貢献について、Mr.Rose鈴木省三さんは彼の著書『ばら花図譜』のなかで背景を記しています。
それによると、 ジョゼフィーヌによってマルメゾン城に最初にバラが植栽されたといわれるのは1801年。彼女はバラ研究を広く援護し、そうしたなかで「園芸家のアンドレ・デュポンは、それまでの自然交雑や枝変わりに頼っていた新種の誕生を、初めて人工交雑によって行った」のだそうです。
その結果、1791年のフランスのカタログで25品種だったバラは、1829年には各系統を合計して4025種を数えるに至ったというのです。
ジョゼフィーヌ死後の1850年の記録では、マルメゾン城のバラ園には「モス・ローズ400種、チャイニィーズ・ローズ1700種、ブルボン・ローズ500種、ノアゼット・ローズ350種、アルバ・ローズ200種、スコッチ・ローズ150種、ティ・ローズ1500種(合計すると4800種)」 が植栽されていたそうです。
人工交配による新品種づくりが、19世紀においてどれほど画期的なノウハウだったかが窺われます。
バラのみならず花をこよなく愛したジョゼフィーヌ。そして19世紀にビッグバンともいうべき爆発的な発展を遂げたバラ。彼女が愛したバラの世界に思いを馳せながら、「国際バラとガーデニングショウ」の彩り溢れる展示を楽しみたいと思います。
第18回国際バラとガーデニングショウ
会期/5月13日(金)~5月18日(水)
会場/西武プリンスドーム(埼玉県所沢市)
★会場に「趣味の園芸 50年ガーデン」を制作
NHK「趣味の園芸」の放送が始まって50年を記念し、番組でおなじみの園芸家 杉井志織さんがガーデンを制作。番組でも人気のある6人のバラ講師たちも会期中、日替わりでガーデンに登場します。
★NHK出版も出展
会場で商品購入いただいた方と定期購読お申し込みの方に、先着でプレゼントがあります。ぜひ、足をお運びください。
★ルドゥーテをはじめ、ボタニカルアートの名画の壁紙をダウンロードできます。
(元『趣味の園芸』編集長 原田)
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【園芸LOVE 原田が行く】は、「みんなの趣味の園芸」スタッフであり『趣味の園芸』テキスト元編集長の原田による園芸エッセイです。