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「森」が日本経済を元気づける!?

「森」が日本経済を元気づける!?
大手町の森。都心とは思えない光景。アラカシやエゴノキが植栽されているという。常緑樹、落葉樹がバランスよく並んでいた

7月中旬のある日の夕刻、日本経済の心臓部、大手町で思いがけない光景に遭遇しました。

 

その日、たまには地上部を歩こうと、新丸ビル脇を抜け、永代通りからやや広めの歩道に入ったときのことです。いきなり目の前に森が出現したのです。

 

〈おや!? 何だろう、これは!?〉

〈子どもの頃、こんな森を遊び場にして走り回っていたなぁ......〉

 

その森の場所は大手町タワーの西側、現在のみずほ銀行本店、小生の先輩世代なら旧富士銀行本店があったところ、というとわかりやすいかもしれません。

 

観察したくなって歩いてみると、長さ100メートル余り、幅30メートルほどの森です。みずみずしい緑の葉が茂る木立ち、青々と茂る夏草、ユリの花が一輪、咲いていました。

 

とても懐かしいものに出合ったという、そんな思いにいつしか満たされていました。森の名前は「大手町の森」――。

 

早速、開発した東京建物に経緯を聞いたところ、広さ3,600平方メートル、完成して3年目の森だったのです。

 

「永代通りから仲通りへとつながる人々の動線を作りたいと、二つのビルの跡地を再開発する際、森と歩道を作りました。樹木はこの地域本来の植生を調査して選び、落葉樹と常緑樹のバランスを考えて混植しています」(東京建物広報CSR部・長久保龍伸さん)

 

長久保さんによると、千葉県君津市の山林に「大手町の森」全体の3分の1程度の敷地を確保し、計画地と同じ環境をつくったとのこと。そして約3年間、植栽する樹木を育てて管理方法などを検証し、そのままの姿で現在の場所に移植したのだそうです。

 

当初100種ほどだった植物も1年半後には300種ほど確認され、今ではトンボや野鳥も数多く見ることができるということでした。

 

〈日本経済を活性化する秘策は森にあり〉

 

「大手町の森」で癒されリフレッシュしたビジネスマン、ビジネスウーマンがよい仕事をし、日本経済が元気になる――。

 

森に集い、憩う人々を眺めていると、飛躍した表現ですが、そんな妄想をまじめに考えてしまいました。

 

取材協力:東京建物

 

(『趣味の園芸』 シニアエディター 原田)

 

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【園芸LOVE 原田が行く】は、「みんなの趣味の園芸」スタッフであり『趣味の園芸』シニアエディター・原田による園芸エッセイです。

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