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丈夫で美しいバラ、シュラブローズが来た道

丈夫で美しいバラ、シュラブローズが来た道
オベリスクに絡ませた「ポンポネッラ」。枝先が伸びるシュラブローズだからできる楽しみ方の一つ(撮影:筒井雅之)

「丈夫で美しいバラを育てたい」という園芸ファンの声をよく耳にします。

 

この「丈夫で美しいバラ」作出について、3月に発売された『NHK趣味の園芸 花をいっぱい咲かせるテクニック 人気のバラ シュラブローズ』(NHK出版刊)のなかで、バラ育種家の河合伸志さんが、今日、人気のシュラブローズに至る歩みを解き明かしてくれました。

 

丈夫なバラ――。河合さんによると、育種の過程で野生種の系統やつるバラが交配親として使われ、強い樹勢や耐病性とともに枝先が伸びる性質も受け継がれたとのこと。

 

美しいバラ――。オールドローズを交配親にしたイングリッシュローズが1980年代に注目され、90年代以降、イングリッシュローズを交配親にしたクラシックスタイルのバラが続々と登場した、とのことでした。

 

やがて「丈夫なバラ」と「クラシックスタイルの美しいバラ」という二つの潮流が合流し、「野生種の系統やつるバラが育種に用いられた丈夫なバラ」と、「イングリッシュローズ由来のクラシックスタイルのバラ」との交雑が進み、耐病性や耐寒性をもったアンティークな雰囲気のバラが作出され、普及していきました。

 

これが今日のシュラブローズだったのです。夏から秋、枝先が伸びるシュラブローズの性質は、野生種やつるバラ、オールドローズから受け継いだものでした。

 

バラ栽培家の入谷伸一郎さんによると、シュラブという概念が登場するのは1934年の記録まで遡るそうです。

 

一方、河合さんによると、丈夫で美しい今日のシュラブローズが広まっていったのは90年代ではないか、と指摘していました。

 

今年も5月12日(金)~17日(水)、国際バラとガーデニングショウが開催されます。一堂に会する数々のバラの展示をシュラブローズという視点から見つめてみる、そんな見学のしかたも面白いかもしれません。

 

シュラブローズ_表紙.jpg

NHK趣味の園芸『花をいっぱい咲かせるテクニック 人気のバラ シュラブローズ』

監修:河合伸志 入谷伸一郎 編:NHK出版 

定価:本体1,000円+税

発売日:2017年3月29日(水)

 

(『趣味の園芸』 シニアエディター 原田)

 

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【連載】園芸LOVE 原田が行く

「みんなの趣味の園芸」スタッフであり『趣味の園芸』シニアエディター・原田による園芸エッセイです。

 

丈夫で美しいバラ、シュラブローズが来た道
1980年代前半に登場した「グラハム・トーマス」。クラシカルな雰囲気を持つイングリッシュローズの魅力を印象づけた(撮影:今井秀治)
丈夫で美しいバラ、シュラブローズが来た道
3月に発売された「NHK趣味の園芸 花をいっぱい咲かせるテクニック 人気のバラ シュラブローズ」(NHK出版刊)

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