新しい園芸メソッドと花が園芸の世界を広げた日~新花コンテスト2017ほか受賞品種紹介
6月15日、2017年の(公社)園芸文化協会園芸文化賞、小松崎園芸文化賞、新花コンテスト2017・園芸文化協会会長賞の表彰式が行われました。
園芸文化賞は杉井明美さん、安藤敏夫さん、村井千里さんが、小松崎園芸文化賞は「Japanese Horticulture Origins and History」(代表・森弦一さん)が受賞しました。
「趣味の園芸」でおなじみの講師、杉井さんは「寄せ植え」というメソッドの確立と普及が、安藤さんは長年のフィールドワークによるペチュニア研究が、そして村井さんは開花調節技術による切花チューリップの安定生産への寄与が、それぞれ顕彰の背景でした。
一方、新花コンテスト2017・園芸文化協会会長賞は、鉢物部門から「エラチオールベゴニア ルネッサンス プット NEO」、「カンパニュラ ホワイトメアリーミー」、「ペチュニア 花衣 黒真珠」が、切花部門から「バラ ゴッドマザー」、「バラ ブライダルセブンシスターローズ」、「トルコギキョウ ハピネスブルーチーク・ピンクチーク2型」、「スイートピー 青式部」、「サクラ 核恵」がそれぞれ受賞しました。それぞれ、従来にない花姿、花つき、花色が評価されました。
90年代のガーデニングブームのとき、それまではどちらかというと男性趣味と捉えられてきた園芸の世界に、杉井さんの寄せ植えスタイルは新たな女性ファンを呼び込みました。斬新なコンテナガーデンという手法が生まれ、ペチュニアやサフィニアとともに多彩なガーデニング苗を配した寄せ植えは注目されたのです。
ガーデンセンターには毎春、各ナーセリーが開発したカラフルで多彩なペチュニアやカリブラコア、サフィニアなどがたくさん並ぶようになりました。当時、編集部の大先輩が、「最近はペチュニアが第1特集になる時代がやって来たんだよ」とポツリと漏らした言葉を今も思い出します。
以来、広く定着した寄せ植えですが、「みんなの趣味の園芸」でも「寄せ植えコンテスト」が今年も行われ、多くの園芸ファンから応募が寄せられています。杉井さんや安藤さんの仕事が園芸やガーデニングに新たな魅力をもたらしたこと、そしてその時代に園芸編集者として小生も居合わせることができたことを思うとき、不思議な感慨を覚えた表彰式でした。
(『趣味の園芸』 シニアエディター 原田)
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【不定期連載】 園芸LOVE 原田が行く
「みんなの趣味の園芸」スタッフであり『趣味の園芸』シニアエディター・原田による園芸エッセイです。