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藤川史雄さんにティランジアについて聞いてみた!<前編>『趣味の園芸』8月号こぼれ話

藤川史雄さんにティランジアについて聞いてみた!<前編>『趣味の園芸』8月号こぼれ話
全長2メートルほどの巨大株、ラティフォリア(T.latifolia)を持つ藤川さん

ウェブサイト「みんなの趣味の園芸」だけで読める連載「テキストこぼれ話」の第2回が始まります。『趣味の園芸』テキストの特集に関連して、おもしろそうなことや役立ちそうなことなどを載せていきます。

 

今回は、『趣味の園芸』8月号で「ティランジアを育む景色」「ティランジア 颯爽として、瑞々しく」の講師を務めた藤川史雄さんに、ティランジアにまつわるあれこれを伺います。

 

編集部(以下、編):8月号が出来上がりました。

 

藤川史雄(以下、藤):表紙がティランジアなんてめったにないことだよね、嬉しいです。ていうか、もう1カット撮った方は採用されなかったんだ(笑)

 

※実は、表紙用として株を選んでいただき、別のカットも撮影していましたが、惜しくも採用されず......!そのカットをちらっとお見せします。

 

201708こぼれ話_02.jpg

 

:......すみません(苦笑) それにしても、藤川さんの温室には誌面に載せきれなかった品種がたくさんありました。

 

:品種図鑑用の株を撮影した日に咲いていたら、このルシダも載せたかったなぁ。あとこのグラジラエも、面白いでしょ。ティランジアで幅広の葉というのは珍しい。

 

ルシダ(T.lucida
201708こぼれ話_03.jpg

 

グラジエラエ(T.grazielae
201708こぼれ話_04.jpg

 

:藤川さんといえばティランジアというイメージですが、温室では他の植物も育てているのでしょうか。

 

:ティランジアを含むブロメリア科のものが多いけど、多肉、球根、シダやランなんかもあります。

もともと僕は、植物でも、原種が好きなんです。なかでも、海外から入って来た株のラベルに「sp.」(注:species(種名)の略。新種など、学名がまだつけられていない、あるいは不明のものでは、属名の後、sp.とだけつけられる。Tillandsia sp.であれば、ティランジア属の一種ということ)と書いてあったら、もう興奮してしまうタイプ(笑)

 

:新種など、まだ知られていない種、ということですね。

 

見たことのないものを見てみたい、という気持ちは昔からあります。なんだこれ!?というようなものは、やっぱりワクワクする。

原種というのは、自然のなかで淘汰され、たどり着いた姿なんです。 奇怪なもの、奇妙な形のものは好きなんだけど、それが、人間の手でつくられたのではなく、自然が作り上げた、というところに美しさがある。

特撮に出てくるような怪獣が、実際に自然のなかで生きていた、となったら、ロマンを感じるよね。それと一緒。

しかも、写真を見ているだけでもワクワクするけれど、実際に育てて花を咲かせたり、新芽を出させたりしたら、また二重三重の面白さがわいてくる。

 

:いちばん初めの園芸体験は何ですか。

 

:小学生のときに、家にあったサボテンをいじってたら、子株がぽろっと取れてしまって。図鑑で調べてみたら、サボテンは、さし木でも増えていくと書いてあった。それで、適当な砂を鉢に入れ、ズボッと挿してみたのがきっかけです。

 

:土じゃなくて砂、なんですね。

 

:砂を選んだのは、サボテンといえば砂漠、砂漠といえば砂、という実に小学生らしい発想からなんだけど(笑)

毎日挿した子株を砂から抜いて、根が出てないか確認してはまた戻して、の繰り返し。そのうちいくつかは発根して、成長しはじめました。

うまくいったから、今度は別のサボテンや多肉も同じように根を出させて増やしていって。

小学生にとってみればサボテンって高いものだったから、どんどん増やしたら「俺、大金持ちになれるかも!?」って(笑)

 

:増やす園芸の面白さに目覚めたんですね。

 

:それからずっと植物は好きで育てていたんだけど、ティランジアに出会ったのはもう少しあとの、90年代はじめくらい、大学生のころ。園芸店にティランジアが登場し始めて、少しずつ日本でも普及し始めたころです。

 

:今でこそ随分身近な植物になりましたが、インパクトは強かったでしょうね。

 

:なんだこれ、と思って、いくつか買ってきて、さっそく家で育ててみた。草花とちがって、とにかく成長もゆっくりだから1週間経っても2週間経っても、何の変化も無し。これ、面白いか......?と(笑)。

それに当時は、まだ栽培法も普及してなくて、「空気中の水分をとりこむから、水はあげなくてよい」みたいなイメージがあった。

 

:今でもそのイメージは残っていますね。

 

:そんなとき、多肉植物のことを書いたとある洋書を読んでいたら、何故か木の枝に着生しているティランジアの写真が載っているページを見つけて、

「こんなところで生きているなら、雨だって当たるんだろうなぁ。」 と思って、水やりや風通しの条件を色々変えて試してみようと思ったんです。

あるときは風呂場に置いたり、ベランダに出したり。風通しが必要なんだな、と感じたら、通気口のフィルターを外して、そのなかに突っ込んだりとか(笑)

 

:まさに手探りで、一番よい栽培法を探し始めたんですね!

 

<後編>はこちら

 

20170721e_01.jpg

『趣味の園芸』8月号 最新号の見どころを紹介

 

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