花づくりの未来をつかめ!~挑戦する埼玉・園芸農家の「こうのすフラワーマーケット」
全国有数の園芸生産地、埼玉県の北部地域。鴻巣市を中心にした地元の園芸農家有志とクラフト作家仲間21名が連携し、「色を重ね、香りと戯れ、花と暮らす」を合言葉に花市場を創出していこうとする「こうのすフラワーマーケット」が、今年5月から始まっています。
この企画の注目は未来志向の花づくり。園芸農家が自ら農場にチャレンジスペースを設けてトライアルで育てた花を、ユーザーと直接、対話して販売するアンテナショップとして機能していることです。
鴻巣市や久喜市、行田市といった地域は昭和20年代に花き園芸栽培が始まり、パンジー、ニチニチソウ、ビオラ、プリムラ、サルビア、マリーゴールドなどの生産が盛んです。これらは東京市場に出荷され、高品質の花は多くの園芸ファンに喜ばれてきました。
その一方で、園芸農家はユーザーが何を求めているか、市場の変化をつかむ機会を模索してきました。ユーザー・消費者と同じ場所でもっと対話出来たら――「こうのすフラワーマーケット」は、園芸農家のそうした問題意識を実践する場になったのです。
「チャレンジした花を『こうのすフラワーマーケット』で提案させていただける。今ここでの売り上げよりも、直接、消費者ニーズを探りたい」(園芸農家・須永健司さん)
「半信半疑で参加した初回、ベゴニアを買っていただいたお客様が、その後3回、ご購入いただきました。友人へのプレゼントだと聞いたとき飛び上がりたい気持ちでした。このお客様のために花をつくりたいと思いました」(園芸農家・吉田幸次さん)
花の産地の埼玉県北部で始まった園芸農家のチャレンジ、「こうのすフラワーマーケット」。園芸農家が会議を重ねて練り上げたワークショップあり、花をモチーフにしたクラフトあり、と多彩です。生産者には不慣れな立ち売りも仲間のクラフト作家の慣れた接客態度に影響され、今では自然な笑顔になってきたそうです。
開催は原則として毎月第4日曜日に予定され、8月は27日の日曜日。場所はJR高崎線の行田駅近く、ウニクス鴻巣イベント広場です。
(取材協力:こうのすフラワーマーケット)
●こうのすフラワーマーケット
開催日:毎月第4日曜日開催/次回 は8月27日(日)
※荒天中止 午前10時~午後3時
会場:ウニクス鴻巣 イベント広場(埼玉県鴻巣市北新宿225-1)
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【不定期連載】 園芸LOVE 原田が行く
「みんなの趣味の園芸」スタッフであり『趣味の園芸』シニアエディター・原田による園芸エッセイです。