びっくり! デンファレが夏花壇で咲いている!?
特集「真冬のラン講座」と題した『趣味の園芸』12月号が発売されました。冬は多彩なランが楽しめる季節でもあります。
ランというと「冬のラン展」をイメージすることが多いのですが、この夏、「お台場おもてなしセレクション2017」で画期的なラン利用が出現しました。
なんと、デンファレがりんかい線東京テレポート駅前、都立シンボルプロムナード公園「夢の広場」の夏花壇で、ペチュニアやニチニチソウ、コリウスなどといっしょに美しい花を咲かせていたのです。
お台場の夏花壇を彩ったのはデンファレの「ガーデニング蘭ワインハーモニー」、福岡県小郡市にある永利園芸、永利茂信さんが出品したものでした。
永利さんによると、「2000年頃、低温に強いデンドロビウムを探していたとき、オーストラリア南東部の都市ブリスベン近郊のナーセリーで出合った原種、デンドロビウム・スーパービエンスがきっかけでした」と話してくれました。
「比較的低温に耐えられるこの原種を、小型デンファレの実生株と交配し、選抜したのが『ガーデニング蘭ワインハーモニー』です。低温に強いデンファレなので事務所の外でトレーに並べて咲かせ、陳列展示していたのです。6年ほど前、息子が庭に植えてみたところよく花を咲かせ、庭植えでも楽しめるのではないかと考えていました」(永利茂信さん)
「庭植えで花を咲かせるデンファレのガーデニング蘭ワインハーモニー」――噂は花き流通関係者の間で広まり、「2017お台場夏花コンテスト」に参加することに。
永利さんによると、「株をバークチップで4号プラスチック鉢に植え込み、それをプラスチック鉢ごと花壇に植えているのです」と、夏花壇で楽しむ秘密を明かしてくれました。さらに続けて永利さんは、「秋、気温が10℃を下回るようになってきたら、プラスチック鉢に植えた状態で花壇から抜けば、鉢植えとして育てることができますよ」とも教えてくれました。
お台場の夏花壇は10月下旬に模様替えになりましたが、ポータブルな扱いやすさを備えた「ガーデニング蘭」は、デンファレの楽しみ方の可能性を広げてくれたのかもしれません。今後、要注目です。
☆「お台場おもてなしセレクション2017」の結果は、最優秀賞(農林水産省生産局長賞)にコリウス「レッドヘッド」、優秀賞(東京都産業労働局長賞)にニチニチソウ「コーラヘッド」とペチュニア「スーパーチュニア ビスタ ミニブルースター」、審査委員特別賞にランタナ「ブルーミファイレッド」とジニア「プロフュージョンレモン」が選ばれました。
(取材協力:東京港埠頭(株))
今月号は「真冬のラン講座」と題して、ランを48ページにわたって大特集。コチョウラン、シンビジウム、デンドロビウムといった定番のランの、こだわり抜いた栽培ポイントと、いま大注目のカタセタム、キロスキスタの、驚きの姿を徹底紹介します。
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【不定期連載】 園芸LOVE 原田が行く
「みんなの趣味の園芸」スタッフであり『趣味の園芸』シニアエディター・原田による園芸エッセイです。