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常識を覆された植物――。金子明人さんにクレマチスについて聞いてみた!<前編>趣味の園芸5月号こぼれ話

常識を覆された植物――。金子明人さんにクレマチスについて聞いてみた!<前編>趣味の園芸5月号こぼれ話
「バラとクレマチスの組み合わせ術」の講師を務めた金子明人さんに、クレマチスの魅力について伺いました

ウェブサイト「みんなの趣味の園芸」だけで読める「テキストこぼれ話」、今月は5月号特集「バラとクレマチス」に関連して、「趣味の園芸」講師でおなじみのあの方にインタビュー。

 

今回登場するのは、『趣味の園芸』5月号「バラとクレマチス」特集で講師を務めた金子明人さん。

草花全般に造詣が深い金子さんですが、特に思い入れのある花がクレマチスだと言います。

 

編集部(以下、編):金子さんの一番の得意分野はクレマチス、というイメージがありますが、そもそも、この認識は正しいでしょうか?

 

金子明人(以下、金):正しいかどうかは分からないけど(笑)、クレマチスが一番好きな花であることは間違いないです。 出会ってからもう40年近くになりますが、その姿に魅了され続けています。

 

:クレマチスと金子さんの出会いについて、お聞かせいただけますか。

 

:もう30年ほど前の話になります。当時20歳前後だった僕は、ある日、行きつけの園芸店が大量に篠竹の注文を受けているのを見て、「こんなにたくさん、誰が買うの?」と聞きました。そうしたら、近くにクレマチスの有名な先生が住んでいて、その方が支柱として使うために買っていくのだと言われました。

 

当時、僕がクレマチスに対して抱いていた印象は、TVや本の通りに育てても、うまくいかない植物というものでした。「ここで切れば2本枝が出る」と書いてあるのに、どうしても1本しか出ないんです。

 

:ちょっと気難しい植物、と思われていたのですね。

 

:それで、そのクレマチスの先生を紹介してもらったんです。彼こそが、日本のクレマチスの第一人者、猪野泰三さんでした。

 

編:金子さんの師匠となる方ですね。

 

:猪野先生のお宅に伺ったとき、こんな出来事がありました。

どんな園芸植物にも元となった原種がありますよね。バラならノイバラのような平たい5弁のシンプルな花が原種のひとつです。

「そういえば、クレマチスの原種ってどんなだろう?」と思って、いくつかの原種を見せてもらったのです。

そのなかの一つに、テキセンシスCrematis. texensis)がありました。

 

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外側が桃赤色、内側がクリーム色のテキセンシス

 

衝撃でした。なにしろ、当時の僕が知っていたクレマチスと言えば、

上向きに咲く、平たい花、というものでしたから。

ところがこれは、全くの別物でした。

 

:下向きに咲いて、花弁も閉じたつぼ型ですものね。

 

:原種から園芸品種にするときは、バラのようにシンプルな原種を改良して花弁の数を増やしたり、形を変えたりするのが常と思っていました。

ところがこれを初めて見たときに感じたのは、「(原種なのに)もう完成してるじゃん!」と。

 

:たしかにそうですね(笑)。

 

:それから、タングチカ系の鮮やかな黄色の品種'オーレオリン'も衝撃でした。 こんな色の品種もあるのか、と。

 

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ベル型で、レモン色がかった'オーレオリン'(撮影:金子明人)

 

編:よく見るブルー系の平花から、真っ赤なつぼ型、鮮やかな黄色花、とじつに多様です。

 

金:そうなんです。猪野先生には、クレマチスにはいくつかの系統があることや、品種の見分け方など、基礎中の基礎を教わりました。クレマチスという植物の奥深さを知っていくうちにどんどんハマって、自宅でも品種を集めるようになりました。あっという間に100品種、200品種と増えていったのです。まさに、クレマチスのつるに絡めとられてしまった、というわけ(笑)。

 

:見事なオチもついたところで(笑)、 続く後編では、数々の品種を見てきた金子さんが思う良い品種、好きな品種についても伺っていきましょう。

 

後編はこちら

 

金子明人(かねこ・あきひと)

園芸研究家/1962年、千葉県生まれ。ガーデンセンターに勤めるかたわら、「趣味の園芸」講師として知られる。近著に『NHK趣味の園芸 12か月栽培ナビ④ クレマチス』
「みんなの趣味の園芸」では金子さんの園芸日記を公開中!

 

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『趣味の園芸』5月号 最新号の見どころを紹介

 

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「みん園」限定! 趣味の園芸テキストこぼれ話

『趣味の園芸』テキストの特集に関連して、担当編集者による講師へのインタビューなどをウェブ限定で公開します。(毎月2回更新予定)

 

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