第15回インドアプランツコンテストに行ってきた~最近の「観葉植物」事情とは
6月6日、東京都中央卸売市場大田市場フラワーオークションジャパン(FAJ)で、第15回インドアプランツコンテストが行われました。
全国から集まった836点。大きさなどから6部門に分けられ、品質や商品性、生育状態などが審査され、インドアプランツコンテスト大賞が選ばれました。
今回、注目は「サボテン・多肉植物」部門が設けられたことでした。従来、多肉植物・サボテンの中・大型種はグリーンインテリアとみなされていましたが、市場では観葉植物の一つとして扱われてきました。それが「サボテン・多肉植物」という独立したカテゴリーで審査されたのです。
この点について「趣味の園芸」でもおなじみ、FAJの長岡求さんは、
「近年の多肉植物ブームから大きな株が多く輸入され、グリーンインテリアとして使える多彩な中・大型の商品が市場に増えたからです」と語っていました。
審査の結果、大賞に選ばれたのは鹿児島県の生産者が出品したサイカス・カイルンシアナ(Cycus cairnsiana)、オーストラリアのソテツの仲間でした。ソテツの仲間はゆっくり成長することが知られていますが、大賞受賞のサイカスはインドアプランツとしてちょうどよい大きさで、姿もバランスのよさを感じる株でした。
さて、今回コンテストでは、インドアプランツとして好まれる観葉植物が様変わりしていました。種類もさることながら、姿や形にユニークさを覚えるものばかりです。
「今、需要があるのは一点ものといわれる個性的な観葉植物です。大きな葉をもつ植物、木本類、ヤシや多肉植物など、同じ姿に作ることが難しい植物が人気です。たとえばフィカスならベンジャミナでなくウンベラータやベンガレンシスが、ポトスよりもモンステラが好まれるという状況です。」(長岡求さん)
「潤いに加えて個性も」――「サボテン・多肉植物」審査の変更は、インテリアグリーンに対するユーザー嗜好の変化を象徴するものだったのでした。
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【不定期連載】 園芸LOVE 原田が行く
「みんなの趣味の園芸」スタッフであり『趣味の園芸』シニアエディター・原田による園芸エッセイです。