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柑橘の品種改良に潜む難しさと楽しさとは? 三輪さんに柑橘について聞いてみた!<後編>趣味の園芸11月号こぼれ話

三輪正幸さんに、柑橘栽培が楽しくなるウンチクをインタビュー
三輪正幸さんに、柑橘栽培が楽しくなるウンチクをインタビュー

ウェブサイト「みんなの趣味の園芸」だけで読める連載「テキストこぼれ話」。『趣味の園芸』テキストの特集に登場した、講師の方にインタビューします。専門家の方だけが知っているおもしろい情報が満載です。

 

今月は11月号特集「完熟好き集まれ! 注目の果樹大集合」で「鉢植え柑橘実つきのお悩み解決講座」の講師を務めた三輪正幸さんに、柑橘栽培が楽しくなるウンチクをインタビュー。

 

前編では、柑橘の品種改良について伺いました。後編では、三輪さんが今ハマっている養蜂について伺います。

 

編集部(以下、編):今、ハマっている養蜂って、ミツバチを飼育してハチミツを収穫することですよね。

 

三輪(以下、三):そうです。

 

:養蜂と柑橘って何の関係があるんですか。趣味の園芸なんですから、植物に関連した話じゃないとダメなんですよー。

 

:ちゃんと関連しているから大丈夫です。柑橘農家の方はどうやって受粉作業をしていると思いますか?

 

:え。柑橘農家の方の受粉作業? そうか! ミツバチに柑橘の花粉を運ばせているんですね。

 

:そうなんです。ウンシュウミカンなどのタネなしの柑橘を除き、多くの柑橘は受粉しないことには果実がつきません。趣味で育てている方は人工授粉するのも手ですが、農家の方は数が多すぎて、ひとつひとつの花に人工授粉をするのが困難なのです。

 

:それはそうですね。

 

:受粉のために養蜂をされている柑橘農家の方は多いですよ。柑橘のハチミツはさっぱりした味で、高級ハチミツとして取引されていますし。

 

:えーっ、食べてみたい。

 

:今、千葉大学では研究のためにミツバチを飼育しています。私が勤務するキャンパスにも養蜂用の巣箱がありますが、1 年で1箱当たり50kg 程度のハチミツがとれるんですよ。

 

:50kg!!驚きました。どう消費してるんですか。そんな大量のハチミツ。

 

千葉大学ブランドのハチミツとして販売しています。瓶詰めやボトル詰めがあり、柏の葉キャンパス内の直売所や大手百貨店などで販売していますが、とても人気があるんですよ。

 

20181028こぼれ話_02.jpg

 

:本当だー。ラベルもかわいいですね。あれ、これはサクランボのハチミツなんですか?ラベルに書いてある。おいしそう!

 

:はい。最近はDNAの分析技術が格段に進歩して、ハチミツの中に含まれているごく少量の花粉を調べて、そのハチミツが何の花粉からできたものか、正確にわかるようになりつつあるのです。どんな花からハチミツを集めているか、その分析手法を確立するために私も学内の研究者と共同で研究しているんですよ。

 

:へー、何のハチミツかわかれば味わい方も変わりますね。

 

:そうなんです。しかも正確かつ簡易に分析できるとなれば、いろんなことに応用ができます。例えばミツバチは巣箱から最大で半径3kmを飛び回るといわれていますが、ハチミツを収穫してDNAを分析するだけで巣箱から半径3kmの植生がわかるようになるんです。

 

:なるほどー。半径3kmを歩き回って植生を調査するのは、かなり大変ですよね。

 

ハチミツには、その地域の植生が味として表現されます。究極の地産地消ですよね。植物の種類の違いや生産年による違いによってワインのような扱いもできるんですよ。利き酒ならぬ、利きハチミツというイベントも私が主催しているんです。門下生からハチミツソムリエが誕生するのも時間の問題です。

 

:なんだかステキな話ですね~。

 

:養蜂は単にハチミツを生産する行為だけでなく、趣味の園芸とも深いつながりがあります。まずは果樹の受粉に役立つという点です。

 

:後編の冒頭でも触れましたね。

 

:ほかにも養蜂やハチミツに興味を持つことは、地域の植物に興味を持つことに繋がるんです。植物にそれほど興味がない人に、「植物に興味を持ちましょう!」と猛プッシュしても暑苦しいだけです。

 

:確かに・・・。

 

:しかし、ハチミツを食べてもらうことや養蜂を体験してもらうことをきっかけとして、ハチミツの複雑な味が、巣箱の周囲の植物の多様性から成り立っていることを説明すると、すんなりと受け入れてもらえることが多いんです。ハチミツやミツバチのうんちくを知ると、それまでは見落としていた季節の花に注目するようになり、その名前が知りたくなって、園芸への興味や関心が湧いてくる。誤解を恐れずにいうと、植物に無関心な人をハチミツやミツバチというエサで釣るんですね。私はハチミツやミツバチは人と植物をつなげるシンボルだと思っています。私は現在、このアプローチから園芸の普及に取り組んでいます。

 

:養蜂は園芸と近いところにあるんですね。柑橘の受粉から園芸の普及まで、三輪先生のフィールドって、本当に広い!貴重なお話ありがとうございました。

 

<終わり>

前編はこちら

 

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みずからハチミツを採取する三輪先生。

 

三輪正幸(みわ・まさゆき)

千葉大学環境健康フィールド科学センター/果樹園芸学、社会園芸学が専門で、柑橘、ブルーベリーなど、家庭で楽しめる果樹栽培の普及に取り組む。本誌『全力回答!園芸相談室』の果樹担当としてもおなじみ。「園芸相談室に届く皆さんからの質問、いつもとても楽しみにしています。ドシドシご応募ください」

『全力回答!園芸相談室』質問募集はこちら♪

 

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『趣味の園芸』11月号 最新号の見どころを紹介

 

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「みん園」限定! 趣味の園芸テキストこぼれ話

『趣味の園芸』テキストの特集に関連して、担当編集者による講師へのインタビューなどをウェブ限定で公開します。(毎月2回更新予定)

 

 

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