コケにできない巧みな生態。気鋭の研究者が綴る、コケ入門の決定版!『コケはなぜに美しい』
6月11日、NHK出版より新書『コケはなぜに美しい』が刊行されました。
日本で極めて稀な「コケ生態学」の専門家である、コケ界の若き俊英・大石善隆先生が、静寂と風情をつくる不思議な植物・コケの生き方を縦横無尽に語ります。
都市で、里山で、深山で、水辺で......さまざまな環境に応じて器用にスタイルを変えながら、健気にたくましく生きるコケの世界を、オールカラー、246点の写真とともに紹介します。
●本書「序章」より
コケは厳しい自然環境に耐え、あるときは健気に、またあるときはたくましくしたたかに生きている。こうしたコケの生き方は、困難に耐えたり、あるいは葛藤を抱えたりして生活しているわたしたちヒトの生き方と妙に重なるときがある。これに気がつくと、ちょっぴりコケに親近感さえ感じてしまう。場合によっては、コケの生き方に励まされた、なんてこともあるかもしれない。
その清楚でみずみずしい姿は、「わび・さび」に代表される日本の美意識に深く関係し、初期の陸上植物の面影を残す、究極に洗練されたその体の構造に目を凝らせば、そこには息をのむほどに美しい世界が広がっています。今大注目の植物・コケの神秘の生態をのぞいてみませんか。
大石善隆(福井県立大学准教授) 著
定価:本体1,200+税
288ページ(オールカラー)
発売日:2019年6月11日