簡単にブルーベリーの収穫量がアップ!福田俊さんにもっとブルーベリーが育てたくなる話を聞いてみた<後編>趣味の園芸7月号こぼれ話
ウェブサイト「みんなの趣味の園芸」だけで読める連載「テキストこぼれ話」。『趣味の園芸』テキストの特集に登場した、講師の方にインタビューします。専門家の方だけが知っているおもしろい情報が満載です。
今月は 7月号特集「始めよう!ブルーベリーのある暮らし」の講師を務めた福田俊さんが登場。
前半ではブルーベリー好きのハチたちを紹介してもらいましたが、後編はブルーベリーの収穫量アップのコツを教えてもらいます。
福:果樹の多くが、枝を下方向に誘引して、頂芽優勢(枝の先についた芽が下の芽よりも先に成長すること)をくずすことで、花芽が多くつき収穫量がふえることが知られています。それはブルーベリーも同じなんです。
編:そうなんですか。
福:ブルーベリーは毎年長く徒長枝が伸びます。切れば切るほど、その反動で翌年は徒長枝が伸びるのです。
編:そうなんですよね。私の実家でもブルーベリーが4mぐらいまで伸びて困っていました。
福:そこで考えついたのが、伸びた徒長枝を切らずに寝かせてみることでした。
編:なるほどー。もともとはブルーベリーをコンパクトに扱うためのコツだったんですね。
福:私は支柱を使わなくてもよいように、隣同士の徒長枝を寝かせて、盆栽用の針金で結んでいます。
編:おおお。それはナイスアイデアですね。
福:私は手つなぎ誘引と呼んでします。
編:名前がかわいい!笑
福:手つなぎ誘引をすると、切っても切っても伸びていた徒長枝が暴れることがなくなり、寝かせた枝には15cm程度の長さの枝がたくさんついて、それぞれに花芽がたくさんつきました。
編:いいことずくめですね。いつやればいんですか。
福:9~10月ごろですかね。環境によりますが、だいたい2~3割ぐらい収穫量がふえると思います。
編:これはやるしかない。また改めて詳しいやり方を紹介させてください!
2株の徒長枝を引っ張ってつなげる。
枝垂れた枝の先に実がつくので、収穫もしやすい。
<終わり>
前編はこちら<ブルーベリー好きの大切なお客さんとは!?福田俊さんにもっとブルーベリーが育てたくなる話を聞いてみた>
福田俊(ふくだ・とし)
東京農業大学グリーンアカデミー/東京農工大学の農場でブルーベリーに出会い、研究に参加。種苗会社に勤めながら自宅で栽培を始め、2003年から埼玉県に農園をつくる。今では90品種、200本を超えるブルーベリーを栽培。自ら育種した品種(フクベリー)もある。現在は東京農業大学グリーンアカデミーで講師を務める。
『趣味の園芸』テキストの特集に関連して、担当編集者による講師へのインタビューなどをウェブ限定で公開します。(毎月2回更新予定)