スイレンの魅力は香りにあり!若松康史さんにスイレンと水生植物について聞いてみた!<前編>趣味の園芸8月号こぼれ話
ウェブサイト「みんなの趣味の園芸」だけで読める連載「テキストこぼれ話」。『趣味の園芸』テキストの特集に登場した、講師の方にインタビューします。専門家の方だけが知っているおもしろい情報が満載です。
今回は8月号特集「涼を呼ぶ花 スイレン図鑑」「水生植物のきほん」の講師を務めた若松康史さんに、スイレンと水生植物についてさらに教えていただきました。
若松さんが勤務する滋賀県の草津市立水生植物公園みずの森は、琵琶湖のほとりに位置する植物園です。
編集部(以下、編):スイレンといえば「みずの森」ですよね!
若松(以下、若):当園では熱帯性60品種、耐寒性50品種ほどのスイレンを栽培・展示しています。広い場所が必要となり、家庭では栽培が難しいニンファエア・ギガンティア(テキスト28ページで紹介)などの大型種も、本来のスケール感で観賞することができるので、熱心なスイレンファンの方も訪れてくださいます。
熱帯性スイレンの原種、ニンファエア・ギガンティア。
編:スイレン以外の水生植物も充実しているそうですね。
若:そうですね。スイレンのほかにはハスが60品種ほどあります。そのほか、琵琶湖やその水系に生息する、固有の水生植物の保存にも力を入れています。
ネジレモ(上)、コウホネ(中)、ミズアオイ(下)。いずれも滋賀県の琵琶湖周辺に生育する植物。
編:スイレンをより楽しむために、ほかの植物園にはない工夫をされているとのことですが......?
若:屋外の水槽では、顔を近づけないとなかなか感じられない、ほのかな耐寒性スイレンの香りも楽しんでいただけるようになっています。温室内の熱帯性スイレンの水槽でも、水面が顔の高さと同じくらいになるように設計されていて、横に近い角度から観賞できるように工夫されています。
水面に映る「逆さスイレン」を写真に収める楽しみ方も提案。
本誌28~35ページで紹介したスイレンのほかにも、香りがよい若松さんのおすすめ品種を挙げていただきました。ぜひ品種選びの参考にしてみてください!
若松さんおすすめ、香りのスイレン【いずれも熱帯性・昼咲き種】
ブルー・スパイダー
デビン M. A. メロイデス
ブルー・アスター
マイアミ・ローズ
ジェネラル・パーシング
セントルイス・ゴールド
後編はこちら< 琵琶湖のハスを救え!若松康史さんにスイレンと水生植物について聞いてみた!>
若松康史(わかまつ・やすし)
園芸研究家。1965年京都生まれ。東北大学農学部大学院修了後、種苗会社、試験場などを経て、現在は草津市立水生植物公園みずの森勤務。幅広い園芸の知識を持つ。
『趣味の園芸』テキストの特集に関連して、担当編集者による講師へのインタビューなどをウェブ限定で公開します。(毎月2回更新予定)
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