人気シクラメンの産みの親・金澤美浩さんに聞く、もっと知りたい栽培のコツ<後編・底面給水鉢は肥料に注意!>趣味の園芸12月号こぼれ話
ウェブサイト「みんなの趣味の園芸」だけで読める連載「テキストこぼれ話」。『趣味の園芸』テキストの特集に登場した、講師の方にインタビューします。専門家の方だけが知っているおもしろい情報が満載です。
今回は、12月号で「そうだったのか!シクラメンの基本」の講師を務めた金澤美浩さんが登場。前半では、シクラメンの購入ポイントについて伺いましたが、後編では、肥料のポイントについて教えてくれました。
編集部(以下、編):シクラメンを底面給水鉢で育てていると、だんだん花色が薄くなることがあります。
金澤美浩(以下、金):じつは底面給水鉢と普通鉢とでは、根の発育に若干の違いがあるんです。そのため、底面給水鉢の場合はリン酸分やカリ分が不足しがちになります。もしかすると、そのせいかもしれませんね。
編:その場合、どうすればいいんでしょう?
金:リン酸分、カリ分の多い液体肥料で補います。目安としては生育期は1週間に1回程度、生育停滞期は2週間に1回程度でしょうか。
編:そのほかに、底面給水鉢の注意点はありますか?
金:底面給水鉢は土の中に残った肥料分が土の表面にたまりやすいんです。なので、10日に1回程度、タンクを外して上からたっぷり水をやり、たまった肥料分を洗い流すといいですよ。
編:普通鉢の肥料は?
金:三要素等量の固形の緩効性化成肥料と液体肥料を併用するといいでしょう。固形の緩効性化成肥料は鉢縁の近くに置き、古い肥料は取り除きます。
普通鉢の追肥の様子
編:わかりました。
金:そして、普通鉢も底面鉢も休眠中は肥料を施さないのを忘れないでくださいね。
<終わり>
金澤美浩(かなざわ・よしひろ)
育種家/福島県矢祭町でシクラメン、ダイアンサス、プリムラなどの生産、育種を手がける。花粉が出ず、花もちのよさから大人気の八重咲シリーズ、チモの産みの親。
『趣味の園芸』テキストの特集に関連して、担当編集者による講師へのインタビューなどをウェブ限定で公開します。(毎月2回更新予定)