ランにハマって20年。清水柾孝さんが語るその魅力とは?<前編・花があってもなくてもイイ>趣味の園芸3月号こぼれ話
ウェブサイト「みんなの趣味の園芸」だけで読める連載「テキストこぼれ話」。『趣味の園芸』テキストの特集内容に関連して、誌面で紹介しきれなかった情報をお届けします。
今回は、3月号に掲載している「コチョウラン あるある症状を診断」を監修した清水柾孝さんが登場。弱冠29歳ながら、ラン栽培歴20年(!)のベテラン栽培家。そんなにハマるランの魅力って何ですか? というところから聞いてみました。
小学生のときからランを育て始めたという清水柾孝さん
編集部(以下、編):今日は清水さんのコレクションを見せていただけるということで、関東近郊の清水さんが管理する温室に来ました。
清水柾孝(以下、清):縁あって、ラン生産者の方の空いている温室をお借りして、定期的にお世話に通っています。僕の株を見てもらう前に、まずはラン生産者の温室を見学しましょうか。面白いのが色々あるので!
温室内には珍しいランがずらり。
編:今回の特集はコチョウランでしたが、ここに並んでいるランはお店でよく見る花たちとは、ちょっと様子が違いますね。
清:原種などちょっと珍しいラン達です。ランの原種は25,000種以上、花を咲かせる植物では最も種類の多い植物ともいわれています。
ランは植物のなかでも一番遅く誕生したと言われていて、地面にはほかの植物がすでにたくさんいるなかで、自分たちの居場所を得るために、「着生」という道を採りました。
バルブや太い根、肉厚の葉に養分や水分を貯めているので、見た目もユニークでしょう。
編:着生ラン、格好いいですよね。ただ、鉢に比べてちょっと難しそう、というイメージもあります。
清:ポイントをいくつか抑えたら、そんなに難しくはないですよ。
水やり、日差し、湿度、あとはしっかり肥料をやることも大事ですね。
着生植物は、観葉のビカクシダとか流行りものが色々ありますけど、ランは何といっても花が咲くのが良いところです。
花がないときは、ワイルドな根や葉の様子を楽しめます。
花が無くてもカッコイイ、花が咲いたらかわいい。
これがランの推しポイントです。
編:なるほど、花を咲かせることにこだわらなくてもいいんですね~。
清:そうは言ってもやっぱり花を咲かせたいですけどね(笑)
私はランを育てるうえで喜びの瞬間が3つあると思っていて、
1つ目は新芽ができる喜び、
2つ目は花芽ができる喜び、
3つ目は花が咲く喜び。
この3つの喜びを味わうために、隅々まで面倒を見ています。
人気の着生ラン。インテリアとしてもかっこいい!
清水柾孝(しみず・まさたか)
ラン栽培家/全日本蘭協会に所属し、園芸資材メーカーに勤務。ランは1,000株ほどを栽培中。お気に入りのコチョウランは、小型の原種ファレノプシス・ロビー、交配種のʻ湘南桜'。
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「テキストこぼれ話」では、『趣味の園芸』テキストの特集に関連して、担当編集者による講師へのインタビューなどをウェブ限定で公開しています(毎月2回更新予定)
『趣味の園芸』2020年3月号
「コチョウラン あるある症状を診断」(p.44~)では、コチョウランのありがちなお悩み症状について、清水さんが診断。手当の方法を解説します。