王朝文化を偲ばせる気品ある紫花~〈万葉の花〉第3回 カキツバタ
衣服を染める高貴な花
カキツバタはアヤメ科の水生植物で池や湿原などに群生し、5月に一面を紫織に染めて咲く姿が美しく、古くから観賞の対象とされてきました。
カキツバタの名は「掻付花(かきつけばな)」から転じたとされ、かつては染色に使われていたようです。『万葉集』に収められた大伴家持(おおとものやかもち)の歌では、カキツバタの花を押しつけて汁で染めた衣服を着て、5月の節句に薬草を採集する行事が描かれています。
当時、カキツバタは身近な花でありながら、特別なときに用いられる高貴な花でもあったことがうかがえます。
カキツバタは水生植物。『趣味の園芸』5月号テキストでは、鉢植えで育て、水を張った美しい器で楽しむ方法を紹介しています。
万葉の花 第3回「カキツバタ 日本人好みの色と形」
<万葉の花>は、2020年4月からスタートした「趣味の園芸」の放送テーマです。万葉びとに愛された名花の魅力と日本独自の文化を見つめ直します。
第3回は水生植物のカキツバタ。万葉の時代以来、日本人に愛されてきた花色と草姿の魅力に迫ります。
ミニコーナー:「万葉 花のうた」では、『万葉集』に収められているカキツバタの歌を紹介します。
◆放送予定
5月31日(日)午前8:30~8:55 NHK Eテレ
【再】6月2日(火)午前10:25~10:50 NHK Eテレ
【再】6月4日(木)午後0:30~0:55 NHK Eテレ
【放送に関するお知らせ】 新型コロナウイルスの影響で、放送が変更・休止されたり、放送内容とテキストが異なったりする場合があります。ご了承ください。最新の情報は番組ホームページよりご覧いただけますようお願いいたします。