日本の自然の中で育まれた野生のユリたち~〈万葉の花〉第4回 ユリ
神の山に咲く花
万葉の時代、奈良の野山にはヤマユリやササユリが数多く自生していたといわれています。
その名残を感じさせるのが、奈良市の率川(いさがわ)神社で毎年6月17日に行われる三枝祭(さいくさのまつり)です。神が鎮座する三輪山の麓に咲くササユリの花で神酒を飾り、神前に供えます。大宝令(701年)にも定められた疫病を鎮めるための祭りです。
ササユリの花はピンク色で、ほのかな香りを漂わせ、清楚かつ優美。茎は細くしなやかで、『万葉集』にはササユリを女性になぞられた歌も収められています。万葉の時代から今日まで日本の人々が惹かれ続けたユリのイメージの原型がここにあります。(『趣味の園芸』2020年6月号より)
花の姿、香りなどの魅力が最初から備わり、古くから日本人に愛されたユリ。6月号テキストでは、丈夫で育てやすいユリの栽培を紹介しています。
NHKテキスト『趣味の園芸』6月号(p.109~)
万葉の花 第4回「ユリ 清香の花は永遠に」
<万葉の花>は、2020年4月からスタートした「趣味の園芸」の放送テーマです。万葉びとに愛された名花の魅力と日本独自の文化を見つめ直します。
第4回は夏を彩るユリ。その美しい花姿と清らかな香りで、万葉の人々にも愛されていたユリの魅力を紹介します。
ミニコーナー:「万葉 花のうた」では、『万葉集』に収められているユリの歌を紹介します。
◆放送予定
6月14日(日)午前8:30~8:55 NHK Eテレ
【再】6月16日(火)午前10:25~10:50 NHK Eテレ
【再】6月18日(木)午後0:30~0:55 NHK Eテレ
【放送に関するお知らせ】 新型コロナウイルスの影響で、放送が変更・休止されたり、放送内容とテキストが異なったりする場合があります。ご了承ください。最新の情報は番組ホームページよりご覧いただけますようお願いいたします。