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落合英司さんに聞く、もっと知りたいマムのこと。<後編・マムの増やし方>『趣味の園芸』10月号こぼれ話

落合英司さんに聞く、もっと知りたいマムのこと。<後編・マムの増やし方>『趣味の園芸』10月号こぼれ話

ウェブサイト「みんなの趣味の園芸」だけで読める連載「テキストこぼれ話」。『趣味の園芸』テキストの特集内容に関連して、誌面で紹介しきれなかった情報をお届けします。

 

10月号で「キュートに進化中 ようこそ!マムの世界へ」「手間いらずで花ざかり! 楽しいマム栽培」の講師を務めた落合英司さん。前編では、マムの開花の秘密について伺いましたが、後編では、テキストでは語りきれなかったマムの増やし方についてお話しいただきます。

 

編集部(以下、編) 多年草のマムは手軽に増やすこともできると聞きました。

 

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大株に育つガーデンマムも増やして楽しむことができる(撮影:田中雅也)

 

落合英司(以下、落) はい。ただ増やす場合は個人で楽しむことが前提となっているので、その点だけご注意ください。

 

 わかりました。 増やすには、どんな方法があるのでしょう?

 

 秋に花を咲かせたマムは、11月下旬に茎からバッサリ切り戻し、冬を越します。すると1~3月頃に冬至芽と呼ばれる新芽が株元に出てきます。

 

 冬至芽、かわいいですよね。

 

 その新芽が5~7cmくらいになったところで、よく切れるナイフなどで細胞がつぶれないよう、切り口がギザギザにならないようカットします。このとき、切り口が斜めになるように切ると、切り口と土が密着しやすくなります。

 

 切り花と同じですね。

 

 このカットした芽を挿し穂といいます。挿し穂はすぐに土に挿してもいいですが、時間があれば少し水を入れた入れ物に挿して一晩水揚げをします。水揚げ後、切り口に発根促進剤をつけてもいいでしょう。

 

 挿す土は、どんなものがいいでしょう?

 

 市販の挿し穂用の土がおすすめです。肥料分が少ない川砂、バーミキュライト、パーライトなどを使用してもいいでしょう。

 

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川砂(撮影:田中雅也)

 

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バーミキュライト(撮影:田中雅也)

 

 挿し穂が用意できたら、そのあとは?

 

 適当なポットに土をいれ、割りばしなどで穴をあけ、挿し穂を挿して土を寄せます。このとき、力を入れすぎて穂をつぶさないよう注意してください。

 

 やさしくですね。

 

 はい。複数の挿し穂を挿す場合、間隔は3cmくらい空けましょう。そして、挿し穂から根が出るまで、たっぷりと水をやり乾かさないように気を付けます。置き場所は、風のあたらない日陰に置いて管理しましょう。

 

 どれくらいで根が出てきますか?

 

 2~3週間で根が出てくるので、そのあとは成長に合わせて大きな鉢に植え替えてあげてください。

 

 挿し穂をする時期は、いつごろがいいのでしょうか?

 

 4月くらいが適当です。寒い地方は、霜が降りなくなるのを待って5月でも大丈夫です。

 

 これで、秋にはかわいい花がたくさん楽しめるんですね。

 

 ただ、そのまま伸ばすと草丈が高くなりすぎることがあるので。その場合は、苗が7~8節ほど伸びたところで芽の先端を摘み取ります。そうすることで脇芽が伸びて、花数を増やすこともできるんです。

 

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芽を摘むことで、たくさんの花を咲かせることが可能に(撮影:田中雅也)

 

 それは一石二鳥ですね。

 

 挿し穂でも、2年目のマム栽培の楽しんでいただけたらと思います。

 

 自分の好きな花を増やせると、楽しみも広がりますね。 

 

<終わり>

 

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落合英司(おちあい・えいじ)

園芸研究家。鳥取大学大学院農学研究科修了。都内の園芸関連会社に勤務。パンジー&ビオラなどの育種に携わり、草花の品種や栽培に造詣が深い。フットワーク軽やかに各地の生産現場から最新情報を収集している。

 

【落合英司さんの関連記事】Mr.パンジー、落合英司さんに聞く、色の秘密。前編「パンジーには3つの"赤"がある」後編「ピンクのパンジーは最難関!?」

 

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テキストこぼれ話」では、『趣味の園芸』テキストの特集に関連して、担当編集者による講師へのインタビューなどをウェブ限定で公開しています(毎月2回更新予定)

 

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10月号の「キュートに進化中 ようこそ!マムの世界へ」「手間いらずで花ざかり! 楽しいマム栽培」では、落合英司さんが楽しいマムの世界と、詳しい栽培方法をお伝えします。

 

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10月号の内容はこちら

 

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