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元祖日本のビザールプランツ!万年青(おもと)の育て方~連載「ディーププランツ入門」11月号こぼれ話

元祖日本のビザールプランツ!万年青(おもと)の育て方~連載「ディーププランツ入門」11月号こぼれ話
11月号で紹介した瑞泉(ずいせん)。芸が多彩で性質強健(撮影:丸山 光)

『趣味の園芸』11月号「ディーププランツ入門」の第8回は、万年青専門店「豊明園」を営む水野豊隆さんが、江戸時代から続く伝統園芸植物・万年青の魅力や芸(葉の変異)の多彩さについて紹介してくれました。

 

昨今の珍奇植物(ビザールプランツ)ブームとも通じる部分のある万年青。その栽培の基本についてこぼれ話として紹介いたします。

 

置き場は明るい日陰

万年青は、もともと明るい木洩れ日の入る林に広く自生している植物なので、明るい日陰で適度な風通しのある場所が適しています。遮光ネットを使う場合、春は遮光率50~75%、夏はさらに遮光率をあげ70~90%程度の遮光率がおすすめです。風通しが悪い場所では、扇風機などを使って、直接万年青に風を当てないように通風を確保しましょう。寒さには比較的強く、関東以西であれば冬でも戸外で大丈夫です(霜には当たらないよう軒下などに置くとよいでしょう)。

 

水やりは最重要ポイント

水やりの感覚をつかむことが、万年青栽培の重要なポイントです。春と秋の成長期には表土が乾いたらたっぷりと。特に4~6月は乾く前にたっぷりと与えて構いません。夏と冬は暑さや寒さで休眠しており、水切れは避けなければいけませんが、過湿になると根腐れしやすいので、用土全体が乾いてから与えます。特に夏はしっかり乾いてから、気温30℃以下の早朝か夕方に与えます。

 

肥料は少なくてよい

万年青は年に葉を3~4枚育てるだけなので、多くの肥料を必要としません。2月中旬~5月上旬、9月下旬~10月下旬に、固形の有機質肥料を少量づつ、時期をずらしながら置き肥します。置く位置は鉢縁側に。

 

植え替え、株分け時の用土

春(3~4月)、秋(9~11月)が植え替え、株分けの適期です。豊明園では、用土は軽石や矢作砂、富士砂などを混合した、非常に水はけのよい用土を使い、水やりの頻度で、乾かし過ぎないように調整しています。日向土や硬質赤玉土を混ぜると保水力が上がります。大葉系のおもとはそのような多少水もちのよい用土で植えつけることが多いです。用土の表面に水ゴケを敷く場合は、生の水ゴケがおすすめです(乾燥水ゴケを使う場合も、しっかり水で戻してから)。

 

今回、万年青について紹介してくれた水野豊隆さんは、万年青の栽培方法や品種紹介、雑学などについて、Youtube動画をアップされています。

植え替えの方法についても動画でわかりやすく紹介されています。

Youtubeチャンネル「おもとの豊明園 Toyotaka Mizuno」

 

テキスト11月号の「ディーププランツ入門」では、水野さんが選りすぐった万年青6品種の写真とともに、系統や主な葉芸の名称とその意味などを紹介しています。こちらも参考になさってください。

 

教えてくれた人

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水野豊隆(みずの・とよたか)さん

園芸家/1983年生まれ。京都大学農学部卒。万年青専門店「豊明園」の4代目。英米での園芸研修を経て、若い世代や海外にも万年青を広めようと、書籍の執筆のほか、ブログやYoutube動画でも積極的に情報発信している。

 

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『趣味の園芸』11月号の紹介はこちら

 

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園芸の入り口は限りなく広く、その先は限りなく深い。『趣味の園芸』テキスト連載「ディーププランツ入門」では、毎月、特定の植物を深く愛する人たちに、その植物の魅力を教えてもらいます。誌面に収まりきらなかったこぼれ話をウェブ限定で公開!

これまでのこぼれ話はこちら

 

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