コノフィツム栽培家・conoconoさんに聞く、コノフィツムの魅力。<前編・conoconoさんとは?>『趣味の園芸』12月号こぼれ話
ウェブサイト「みんなの趣味の園芸」だけで読める連載「テキストこぼれ話」。『趣味の園芸』テキストの特集内容に関連して、誌面で紹介しきれなかった情報をお届けします。
今回は、12月号多肉植物特集で「ハマる人続出!コノフィツムワールド」の講師を務めた須藤浩さんが登場。「みんなの趣味の園芸」ではconoconoさんの名前で活躍し、知る人ぞ知る、メセン愛好家界の有名人です。
前半は、講師としては『趣味の園芸』初登場のconoconoさん自身について。
編集部(以下、編):今回、コノフィツム栽培家としてテキストにご登場いただきましたが、ふだんはどのようなお仕事をされているのでしょうか?
conocono(以下、co):薬科大学に勤めていて、講義や実習、植物の成分などの研究をしたり、薬用植物園の管理運営をしたりしていますよ。
編: 当たり前かもしれませんが、コノフィツムとは直接関係のない講義ということですよね......?
co:そうですね。コノフィツムの栽培はあくまでも趣味です。講義は植物学や生薬学に関するものが中心です。植物の分類学や形態学、そして生薬、さらにハーブやスパイスにはどのような成分が含まれていて、人体にどのような効果や効能があるか、などを教えています。
編:本業のほうも大変興味深いです。コノフィツム栽培歴は40数年とのことなのですが、多肉植物を育て始める年齢としてはとても早かったのではないでしょうか?
co:中学生でしたね。それまでも「趣味の園芸」を毎週見ていましたよ。番組を通じていろいろな植物を教えてもらいました。その中でも宝石のようなコノフィツムは特に印象的でした。
編:もともと植物がお好きだったんですね。
co:お花を見ていたいとか、枯らしたくない、というタイプではなく、サイエンス的な興味が大きい要素でしたね。挿し木をすると根はどこからどうやって生えてくるかとか、土や置き場を変えると生育にこう影響するんだなとか、交配するとどんな子供が生まれるかなど、実験して分析するのが好きなので。当時は多肉植物の教科書もあまりありませんでしたから、自分でいろいろと試してうまくいく方法を探っていきました。パズルを組み立てていくような感覚が楽しいんです。
編:それと驚いたのは、置き場がすべて先生の手作りという点です...!
編:簡単に作れるレベルのものではないような気がするのですが...
co:波板などをホームセンターでそろえて温室やフレームを自作しています。台風などもありますから対策には気を使います。
編:やはり雨よけがあるほうがいいのですね。
co:長雨に当てると腐りますし、降霜対策にもなりますから必須です。透明波板を使って、夏はその上から寒冷紗を被せて日除けにもしています。コノフィツムであれば、この程度の市販の小型温室を流用したものでもたくさん育てられますね。
編:この置き場、欲しいです...!
写真撮影:田中雅也
後編では、コノフィツム界のアイドル・ブルゲリについて、タネまきのコツを教えていただきます!
須藤 浩(すどう・ひろし)
コノフィツム栽培家/中学生のときに「趣味の園芸」の番組でコノフィツムを見て、ひと目惚れ。ウェブサイト「みんなの趣味の園芸」ではconoconoさんの名前で「メセン(女仙)大好きコミュニティ」の管理人を務める。星薬科大学准教授。専門は薬用植物。
「テキストこぼれ話」では、『趣味の園芸』テキストの特集に関連して、担当編集者による講師へのインタビューなどをウェブ限定で公開しています(毎月2回更新予定)
『趣味の園芸』2020年12月号(11/21発売)
12月号の「ハマる人続出!コノフィツムワールド」では、conoconoさんがコノフィツムの多様な世界へご招待します。