おいしいミニニンジンは保温資材の活用が重要
寒い冬でも「野菜作りを楽しみたい!」という方におすすめなのがミニニンジンのトンネル栽培。3つの資材で畝(うね)をしっかり保温すれば、手軽に栽培できます。春に栄養豊富で甘いミニニンジンを収穫しましょう。恵泉女学園大学人間社会学部教授の藤田 智(ふじた・さとし)さんに栽培のポイントを教えてもらいました。
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栽培のポイント1 トリプル保温で発芽・生育を促す
ニンジンの発芽適温は15~25℃、生育適温は15~20℃。通常なら1月のタネまきには向きません。それを可能にするのが、保温資材の活用です。もみ殻と不織布、厚手保温シートのトンネルがけというトリプル保温にすれば、厳寒期でも日中のトンネル内は20~30℃をキープ。保湿効果もあるため、乾燥に弱いニンジンのタネの発芽にも役立ちます。
栽培のポイント2 まき溝は浅く、覆土は薄く
ニンジンのタネは光が当たることで発芽が促進される「好光性種子」です。まき溝の深さは5mm程度と通常より浅くし、土はタネが見え隠れするくらい薄くかぶせるようにしましょう。
栽培のポイント3 適期の間引きを欠かさない
間引きは本葉1~2枚のころと3~4枚のころの2回行います。間引きは根を確実に太らせ、大きさをそろえるためにも重要な作業。間引かないと葉が混み合って日当たりが悪化。葉がモヤシのように弱々しくなって根に十分な栄養が供給できません。病害虫が発生しやすくなるおそれもあるので、間引きは忘れずに行いましょう。
テキスト『趣味の園芸 やさいの時間』2020年12・2021年1月号より