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観葉植物を枯らさないコツは? 谷奥俊男さんに、グリーンと暮らす醍醐味を聞きました!『趣味の園芸』1月号こぼれ話<後編>

観葉植物を枯らさないコツは? 谷奥俊男さんに、グリーンと暮らす醍醐味を聞きました!『趣味の園芸』1月号こぼれ話<後編>

ウェブサイト「みんなの趣味の園芸」だけで読める連載「テキストこぼれ話」。『趣味の園芸』テキストの特集内容に関連して、誌面で紹介しきれなかった情報をお届けします。

 

1月号で、観葉植物と暮らすことについて、園芸ビギナーにもわかりやすく教えてくれた谷奥俊男さん。前編では、谷奥さんの「観葉植物」に懸ける熱い思いをうかがいました。後編では「植物を枯らさないための取り組み」について教えていただきました。

 

*  *  *

 

観葉植物の育て方や管理方法について勉強を重ね、生産者さんからも多くのヒントをいただき、知識も着実にふえました。それを「ちゃんとお客様に伝えよう!」と思ったきっかけは、お店をオープンして3年目ごろです。

お陰さまで売り上げも好調だったんですが、あるときふと気づいたんです。「あれ? リピーターさんが少なくないか?」と。確かに、新規のお客さんは増えていました。でも、最初は数回通い詰めていただいたお客さんが、あるときから来られなくなっていたのです。

 

失礼と思いつつ、お客さんに直接聞いてみました。「最近どうされていますか? ウチの店、どこが足りないですか?」と。すると、「前に買ったものを枯らしてしまったので...」とおっしゃる。調べてみると、多くのお客さんが1〜2年以内に観葉植物を枯らしていました。一度、失敗してしまうと「自分には無理だ」と、植物との暮らしをあきらめてしまう方が多かったんです。植物との暮らしは、楽しくていいことばかりなのに、これは大変なことをしていたと気づいたのです! 「売ったら終わりで、育てるためのアドバイスをしていなかった!」と。

 

そこで「初心者でも植物を枯らさないために、最低限、何をすればいいか?」という視点で考案したのが、1月号で紹介した「光・風・水」のメソッドです。「観葉植物が生きるのに必要な明るさは500~1000ルクス」などということは、ネットなどには書かれていますが、絶対にその明るさが必要かというと、そうではないのです。大切なのは、置かれる場所に順応(順化)させるための過程です。

これまでの常識とは違うことが多いので、びっくりされる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、すべて私が実際に試して、導き出した結果です。暗い部屋でも照明を当てれば枯れないし、観葉植物は本来丈夫なので、怖がらずにチャレンジしてほしいです。

 

私の店では、購入されたお客様とSNSでつながり、わからないことや不安なことは、気軽に何でも聞いていただけるような体制を整えています。なので、「葉っぱが黄色くなってきたんですが」と、実物の写真つきで送られてくる連絡に「照明を当ててみて」「換気をしてあげて」などとアドバイスを返信して、個別に対応しています。要望があれば、ご自宅まで'往診'にも行きますし、状態が悪化しているときは、一旦店に持ち帰って管理し直し、健康な姿を取り戻してからお返しすることもあります。いわば、植物の病院ですね。

 

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谷奥さんの'往診'カバン。照度計、湿度計のほか、風向きを測る器具も。

 

このように、初めて植物を育てる人に必要なことは何かを、日々考えています。都会では部屋が狭い人も多く、植物がグングン育ってどんどん大きくなられても困る人もいると思い、今は「大きくならない品種」の改良も進めています。

 

「仕事で花を扱うから、プライベートでは植物はいらない」と思っていたことが嘘みたいに、今ではジャングルみたいな部屋に住んで、植物との暮らしを満喫する毎日です。皆さんも、まずは一鉢、生活にグリーンを迎えてみると、新しい発見がきっとありますよ!

 

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谷奥さんのご自宅

 

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京都市二条にある谷奥さんのショップの店内

 

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店には観葉植物だけでなく、パルダリウム(上)やガラス作家・西冨なつきさんの作品(下)も並ぶ。

 

写真撮影:田中雅也 撮影協力:cotoha

 

 

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谷奥 俊男(たにおく・としお)

京都で室内植物店「Cotoha」と生花店「Blowmist BOOM」を経営。鉢植えは、販売時のカウンセリングと販売後のフォローで「枯らさない」ケアを徹底。遠方から訪れる人も多く、全国の顧客から厚い信頼を集めている。

 

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テキストこぼれ話」では、『趣味の園芸』テキストの特集に関連して、担当編集者による講師へのインタビューなどをウェブ限定で公開しています(毎月2回更新予定)

 

『趣味の園芸』2021年1月号 好評発売中!

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「知識ゼロから始める 観葉植物 超入門」では、谷奥さんが植物と仲良く暮らすコツを、「光・風・水」のメソッドで初心者にもわかりやすく教えてくれました。

 

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1月号の内容はこちら

 

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