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2年目のコチョウラン栽培法~『趣味の園芸』3月号こぼれ話<後編>

2年目のコチョウラン栽培法~『趣味の園芸』3月号こぼれ話<後編>

ウェブサイト「みんなの趣味の園芸」だけで読める連載「テキストこぼれ話」。『趣味の園芸』テキストの特集内容に関連して、誌面で紹介しきれなかった情報をお届けします。

 

今回は、3月号の「ラン」特集で「コチョウランの超ズボラ栽培」を教えてくれた椎名正樹さんが登場。前編では、さらに気軽にコチョウランを楽しむ方法について伺いましたが、後編では<2年目のコチョウラン栽培法>について教えていただきました。

 

* * *

 

編集部(以下、編) 1年目の花を楽しんだ後は、植え替えが必要ですか?

 

椎名正樹(以下、椎) いえ、植え替えは2~3年間は必要ありません。花後の株は花茎を切って、窓辺などに移します。レースのカーテン越しくらいの柔らかい光の下で育てましょう。そして、もし2年目に花が咲かなくても次の年には咲くかもしれないんです。ぜひ気長に楽しんでほしいですね。

 

 気長に、ですね。ちなみに、植え替えはどのようにすればいいのでしょう?

 

 植え替えをするなら、2~3年後の春か秋に行います。古い植え込み材料と傷んだ根を取り除いて、ひとまわり大きなポットか鉢に、新しい植え込み材料で植え付けましょう。

 

 2~3年後ですか。忘れないようにしなくては。

 

 植え替えを忘れても、大丈夫ですよ。自生地では野生のコチョウランは、水分も養分もわずかな過酷な環境で、木肌に着生し生育しています。その場の環境に合わせて成長を続けることのできる適応能力の高い植物なんです。実際に植え替えせずに、毎年花を咲かせるコチョウランもあります。

 

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10年近く、植え替えていないコチョウラン。根を外にあふれさせて、生育を続けている。 撮影/椎名正樹

 

編 お話を聞けば聞くほど、強い植物なんですね。そうそう、それから気になっていたのが、2年目以降も支柱は立てたほうがいいですか? 

 

 コチョウランにとっては、生育に必ず支柱が必要なわけではありません。2年目以降は、支柱に誘引して買ったときと同じ姿に仕立てても良いですし。支柱を立てなければ、花茎が垂れたナチュラルな姿が楽しめます。

 

 そうなんですね。

 

 実際に欧米では、日本のように針金で固定するのではなく、花茎をクリップで止めるだけの仕立てが主流です。まったく支柱を使わないものが流通されることもあるんですよ。

 

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自由な表情が楽しめる支柱なしのコチョウラン。花茎は光に向かって伸びる性質がある。 撮影/田中雅也

 

 お話を伺って、目からウロコの連続でした! この先も大切にコチョウランを育てていきたいと思います。

 

 いえいえ、大切にしなくていいですよ(笑)。気楽に適当に育ててみてください。

 

<終わり>

 

前編はこちら!

 

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椎名正樹(しいな・まさき)/椎名洋ラン園

1980年生まれ。大学を卒業後、都内の花市場にて研修。千葉県旭市の椎名洋ラン園に就農後、年に数回海外に足を運び、欧州のカジュアルな花文化に影響を受ける。モットーは「笑顔を咲かせる花づくり」。

 

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テキストこぼれ話」では、『趣味の園芸』テキストの特集に関連して、担当編集者による講師へのインタビューなどをウェブ限定で公開しています(毎月2回更新予定)

 

『趣味の園芸』2021年3月号 好評発売中!

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コチョウランというと、「お祝い用の花でしょ」「ちょっと敷居が高い...」もしそんなふうに思っていたら、それは大きな誤解です。びっくりするほど手軽に、気ラクにコチョウランを楽しめる「超ズボラ栽培法」を椎名さんが教えてくれました。

 

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3月号の内容はこちら

 

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