連載「木村流 新しいバラの方程式」第2回(2021年5月号)
日本を代表するバラ育種家・木村卓功さんが、美しさと強さを兼ね備えた次世代のバラと、その栽培について1年間にわたって紹介するテキスト連載「木村流 新しいバラの方程式」。
5月号掲載、第2回の内容をご紹介!
一番花が咲く5月は、バラを愛する人にとって、最も幸せな季節です。待ちに待った新苗も流通します。新苗から始めたい人は、時期を逃さずに入手しましょう。今月は新苗から育てる喜びとコツについてもお伝えします。
強くて美しい次世代のバラ 今月の3品種
木村さんが厳選した入手しやすく育てやすいバラを、毎月3品種ずつ取り上げます。5月号で紹介した次世代のバラはこちら!
1.『秘密の花園』の主人公に捧げたバラ「メアリー レノックス」
2.花弁の重ねと花色が刹那的な美しさをもつ「コリン クレイヴン 」
3.おおらかで表情豊かな切れ込み弁咲き「ベン ウェザースタッフ」
それぞれの魅力や栽培方法は、テキストで詳しく解説しています。
5月の講座「花を知る~バラの多彩な花色と育種の歩み~」
現代のバラはほかの植物に比べて花色の幅がとても広いですが、初めは数色しかありませんでした。多彩な色幅は人類の歴史とともに、世界中の育種家の努力によって獲得されたことを知っていただけるとうれしいです。
黒をはじめいくつかの色のバラはまだこの世に存在しません。世界中の育種家が、未来の花色を求めて努力を続けています。
テキストでさらに詳しくお伝えします。
5月の作業「新苗を育てる~秋までに大人のバラに成長させる~」
新苗からきちんと育てると大苗から始めるより立派な株になることをご存じですか? 品種や栽培条件などにもよりますが、大苗から始めた場合、1~2年して成木になるころには、元からあった太い枝が新しく発生した枝に負けて劣化し、剪定して間引かざるをえなくなることがあります。
それに対して新苗は、畑から掘り上げて出荷される大苗のように、生育の途中で根を大きく切断されることがありません。また、小さいうちからわが家で育てるので、生育場所の気候や環境の変化も小さくてすみます。購入時の枝は細くとも、生育を途切れさせることなく順調に枝が太り、枝数をふやし続ける場合が多いのです。
テキストでは、新苗を育てる3つの作業について、詳しくお伝えします。
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木村卓功(きむら・たくのり)
バラ育種家。埼玉県杉戸町でバラの育種と苗木の生産、販売を手がける。四季咲き性で病気に強く、高温多湿の日本やアジアで育てやすい新品種を毎年発表。より美しく、より手軽に楽しめるバラの栽培方法も提案している。著書に『別冊NHK趣味の園芸 鉢で美しく育てるバラ』など。
★テキスト連載「木村流 新しいバラの方程式」