バラって木なの? 草なの? バラ一筋のプロが伝授する初めの一歩
バラは誰もが見たことがある花です。でも、どんな特徴や性質があるか、育てるにはどんなお世話をするのか、知らないことも多いのでは? 花フェスタ記念公園理事で、40年にわたりバラの調査研究を続けている上田善弘(うえだ・よしひろ)さんに、バラの基本を教えてもらいました。
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Q 木なの? 草なの?
A 植物学的には低木だが、枝は草のようにも見える
リンゴやイチゴなどもバラの仲間
バラはバラ科バラ属の常緑・落葉低木です。リンゴやウメなどの果樹や、野菜のイチゴ、花木のサクラなど、おなじみの植物もバラ科です。
枝は柔らかく草のような印象がありますが、植物学的には木本類(茎が木質化して何年も生きる植物)です。でも、大木にはなりません。1本の幹を太くして成長するのではなく、古い枝は切って新しい枝に受け継がれ、若返りながら生きていきます。ただ野生種のなかには大木になるもの、若返りせずに生育するものがあります。
バラの主な樹形は3タイプ
バラは樹形で「木立ち性」「つる性」「半つる性」の3タイプに分けられ、その姿は祖先の性質が受け継がれています。
ただし、樹形は気候や環境でも変化することも。例えば「半つる性」のイングリッシュローズには、冷涼な英国から高温多湿の日本にやってきて、つるがよく伸びたものもありました。
また、「つる性」といってもアサガオのように自らが支柱に巻きつくことはありません。誘引(枝をひもなどで留める)という作業で樹形を整える必要があります。
*テキストでは「いつ咲くの?」「どんな苗から始める?」など、様々なバラのQ&Aを掲載しています。
みん園だけで読める「テキストこぼれ話」では、上田さんがテキストに収まりきらなかった野生種のバラについて紹介してくれました。