目指せ!緑のリビング 自分で張る芝生の魅力
美しく広がる芝生を見ると、寝転がったり、裸足で歩いたりしたくなりませんか。芝生の上では、誰しもくつろぎと開放感を味わえます。静岡県農林技術研究所(静岡県芝草研究所)所属の池村嘉晃(いけむら・よしあき)さんに芝生の魅力を教えてもらいました。ビギナーさんがぶつかりがちな疑問にもお答えいただきます。
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芝生は心を和ませ、上にのって楽しめる
アメリカやヨーロッパの街を歩いて気がつくのは、きれいに管理された芝生の多さです。人の集まる場所には、たいてい芝生があります。もちろん、家の庭は、どこに行っても芝生です。鮮やかな緑色の芝生、刈りたての芝生の匂いは、周囲にいる人たちをリラックスさせ、和やかな気分にさせてくれます。
芝生のよさは、愛でるだけでなく、上にのって利用することもできることです。天気のよい日は、芝生の上にレジャーシートを敷いてくつろぐ人も多いのでは。ローテーブルを出してきて、芝生の上でテレワークをするのもよいかもしれません。
必要最低限の作業で美しい芝生は維持できる
さて、芝生は生き物です。植えておくだけでは、うまく育ちません。かといって、何でもかんでも芝生の欲しがっているものを与えても、それはそれでうまく育ちません。芝生が必要としているベストなタイミングで必要最低限の作業をすることで、強く美しい芝生を育てることができるのです。きれいな芝生を維持管理できると、その喜びもひとしおです。庭を芝生にすることで、あなたも芝生管理の魅力を体感してみてください。
芝生は踏んでも大丈夫ですか? はげてしまわないか心配です。
家族で庭の芝生を利用したからといって、芝生がはげてしまうことはまずありません。むしろ、適度に利用して芝生を踏むことは、芝生にとってもよいことです。
日当たりや水はけなどに問題がなければ、芝生がはげるのは肥料不足が原因であることがほとんどです。定期的に適量の肥料を施すようにします。よく歩く場所には肥料をやや多めに施すとよいでしょう。
よく歩く場所はすり切れやすいので、同じ場所を歩かないようにするなどの工夫も大切です。そのような場所は、土壌が硬くなっている場合もあるので、エアレーションをして土壌に空気を入れます。土壌が硬くならないように目砂をしてもよいでしょう。
椅子やテーブルなどを芝生の上に置いたままにしておくと、日光が当たらないので、その下は枯れてしまいます。芝生の上に置くものは、毎日移動させましょう。
庭に芝生を植えたいのですが、日当たりがよくありません。よい方法はありませんか?
日陰では、光合成が十分にできず、生育に必要なエネルギーをつくれないことから芝生を維持するのはかなり難しいです。しかし、関東地方以南の温暖な地域で、激しく使用しない場所であれば、セントオーガスティングラスという芝草なら日陰でも芝生にすることができます。
セントオーガスティングラスは、地上のほふく茎で横に広がっていく暖地型芝草です。西インド諸島などの原産で冬の寒さには弱いのですが、日陰への強さはほかの種類の芝草と比較して最強です。葉幅が広く、やや粗い芝生となりますが、中庭など日陰になることが多い場所にはおすすめです。
*芝生のつくり方、メンテナンス方法はテキストで詳しく紹介しています。