アジサイに精通、川原田邦彦さんに聞く。<後編・お好きなアジサイスポット>『趣味の園芸』6月号こぼれ話
ウェブサイト「みんなの趣味の園芸」だけで読める連載「テキストこぼれ話」。『趣味の園芸』テキストの特集内容に関連して、誌面で紹介しきれなかった情報をお届けします。
今回は、6月号のアジサイ特集で「アジサイの基本」「簡単すぎる! アジサイ栽培」を教えてくれた川原田邦彦さんが登場。前編では、<おすすめのヤマアジサイ>を紹介してくれましたが、後編では<お好きなアジサイスポット>についてうかがいました。
* * *
編集部(以下、編) 川原田さんは、アジサイの植栽も手がけていらっしゃいますよね。
川原田邦彦(以下、川) はい、お寺や植栽スペースなどにアジサイを植えることもあります。
編 全国各地でアジサイが楽しめる季節が近づいてきました。川原田さんがとくにお好きなアジサイの見どころスポットはありますか?
川 なんと言っても好きなのは「みちのくあじさい園」です。岩手県の奥深い山の中、杉林に咲く約400種、4万株ほどのアジサイの姿は幻想的ともいえる美しさです。
編 4万株!
川 杉林にアジサイを植栽しているのは、国内ではここだけではないでしょうか。ほかにも園内にある「山本コレクションコーナー」では、前編でもお話に出た日本のアジサイ研究の第一人者・山本武臣さんから譲りうけた貴重なアジサイを目にすることができます。
2kmほど続く山中の小径の周囲に、多種多様なアジサイの咲く姿が見られる。写真提供/みちのくあじさい園
園内の池に、色とりどりのアジサイが浮かぶ光景は圧巻の美しさ。写真提供/みちのくあじさい園
写真提供/みちのくあじさい園
みちのくあじさい園
岩手県一関市舞川字原沢111
2021年の開園期間は、6月26日(土)~7月25日(日)を予定
*お出かけの際は、事前にご確認ください。
編 いつの日か、足を運んでみたい場所ですね。
川 関東ですと、「山梨県/小室山妙法寺」や「東京都相模原市/北公園・麻溝公園」のアジサイも見ごたえがありました。
編 アジサイの見どころは、ほんとうに数多くありますね。規模はまったく違いますが、私が住む町でも町中のいたるところでアジサイの咲く姿が楽しめます。
雨に濡れたアジサイの姿は、梅雨の季節の風物詩。(撮影:田中雅也)
川 アジサイの人気はますます高まっていますね。2000年に入ってから品種数が急激に増え、いまでは4、5000種ほどにまでなりました。
編 それは、すごい。
川 母の日の花としての人気も定着しています。日本が世界に誇れる花木のひとつといえるでしょう。
編 育ててよし、眺めてよしのアジサイ。今年の花も楽しみです!
<終わり>
前編はこちら!
撮影:成清徹也
川原田邦彦(かわらだ・くにひこ)
茨城県で庭木や宿根草などの生産、販売、造園などを幅広く手がける。植物全般に詳しく、特にアジサイに造詣が深い。わかりやすい解説にも定評がある。
「テキストこぼれ話」では、『趣味の園芸』テキストの特集に関連して、担当編集者による講師へのインタビューなどをウェブ限定で公開しています(毎月2回更新予定)
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「簡単すぎる! アジサイ栽培」では、開花鉢から育てる方法をご紹介。誰でもアジサイを元気に育てられる4つのコツを、川原田さんが教えてくれました。