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まだまだ、アガベは熱くなる~12か月栽培ナビ NEO『アガベ』発売記念インタビュー【前編】

まだまだ、アガベは熱くなる~12か月栽培ナビ NEO『アガベ』発売記念インタビュー【前編】
12か月栽培ナビ NEO『多肉植物 アガベ』の発売を記念して、著者の靍岡さんにインタビュー!

NHK趣味の園芸「12か月栽培ナビ」NEOから、『多肉植物 アガベ』が8月18日に発売決定!

発売を記念して、著者の靍岡秀明(つるおか・ひであき)さんに、アガベの歴史やその人気の秘密についてお聞きしました。

前編・後編の2回にわたって、お届けします。

 

* * *

 

イカツイは最高の褒め言葉?

 

ここ5年ほどですかね。園芸愛好家の間でアガベの人気が急上昇しているのを実感します。多肉植物の世界では、すでに主役級の人気植物になった感じですね。

その立て役者は、アガベのなかでも特に荒々しい姿が印象的なチタノタという種類。葉の縁には鋸歯(きょし)と呼ばれるトゲトゲがよく目立ち、株全体の葉がギュッと球形にまとまっていて、いかにもイカツイ!
勘違いしないでください。チタノタの場合、イカツイは最高の褒め言葉。そのイカツさ、荒々しさが「かっこイイ!」に直結しているのが、おもしろいところですね。

そんな一見、マニアックな世界なので、ブームを支えているのは、この道何十年みたいなディープな男性のファンばかりかと思うと、そうではありません。ソーシャルメディアなどの投稿を見ると、人気が若い世代の男女にも広がっているのを実感します。ちょっと「来ている」感じですね。

 

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鋭いとげは魅力の一つ。葉に、隣り合った葉のとげ(鋸歯)の跡が残り、模様のようになっている。写真は、アガベ・チタノタ。(撮影:田中雅也)

 

日本産の選抜株にも熱い視線が

 

今回、アガベの本をまとめるにあたっては、人気の原種やその斑入り品種を中心に、100種類以上を紹介しました。今人気だというと、新しい植物のようですが、じつは長い栽培の歴史があります。

原産地は、アメリカ南西部からメキシコを中心に、中南米の熱帯地域、カリブ諸島など。原種は300種以上が知られています。そのうち数種類は、アガベシロップやテキーラの原料として古くから栽培されてきました。日本では、100年に1度だけ花を咲かせて枯れてしまう「センチュリープランツ」として知られ、ときどき植物園や公園での開花がニュースなどで話題になることもあります。実際には、10~30年で開花する種類が多いようですが、それでも珍しいことにはちがいありません。

日本には、江戸時代後期から導入され、昭和になるころには園芸種として、趣味家の間でかなりの種類が栽培されていたようです。戦後のサボテンブーム(昭和30年代)のときには、アガベの珍しい種類もひと通り、海外から入ってきました。

葉の先端の鋭いとげや縁につく鋸歯が目立つものもあれば、葉が分厚く緑色が美しい種類もあり、さらに黄や白の斑入りのバリエーションもあります。昭和期には優れた株の選抜が進み、日本人の感性に合った繊細な表情や気品、かわいらしさなどをもつ品種が生まれ、海外でも知られるようになりました。現在、改めて、こうした古くからの種類にも脚光が当たり始めているところで、今回の本ではそれも意識しながら、紹介する種類を選んでみました。

 

理想の美しい株姿に育てるには

 

なぜ、にわかに注目が集まったのでしょうか。最近になって、アメリカやメキシコから輸入株が数多く入ってきたことがその一因でしょう。その引き締まった姿は、原産地の乾燥した場所で日光をよく浴びて育った株ならでは。ひと目見ただけで、「かっこイイ!」と感嘆せざるをえません。

でも、そんな株を入手して育て始めてみると、直面するのが日本の高温多湿の夏です。アガベは多肉植物のなかでも丈夫なほうで、高温多湿で腐って溶けてしまうようなことは、まずありません。ですが、かっこイイ株姿をつくるとなると話は別。それぞれの栽培環境のなかで、工夫が必要になってきます。

本書では毎月の管理・作業のページで、株を傷めないだけでなく、整った株姿を維持する方法、さらには仕立て直し方などについても触れました。栽培している人にとっては、アガベの一株一株が大切な存在。世話をしながら、少しでも理想の美しい株姿に育てていく、その手助けに本書が少しでもなることができたら、とてもうれしいですね。

 

後編「どうして人はアガベにハマるのか」 >

 

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靍岡秀明(つるおか・ひであき)

1972年、東京都生まれ。昭和5年創業の多肉植物・サボテンの老舗、鶴仙園の三代目。「サボテン愛」をモットーに、ていねいに栽培、管理した丈夫な株を販売する。近年、特にアガベやハオルチアに力を入れており、販売している種の数は日本有数。「みんなの趣味の園芸」で多肉植物・サボテン図鑑も執筆中。

 

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待望のアガベ栽培本! 100種類以上のアガベを紹介。スタイリッシュな姿を保ちながら大きくするコツをじっくり解説。

 

★「12か月栽培ナビ NEO」は、今大人気の多肉植物の1年の育て方・作業を徹底ナビ。今月必要な作業を初心者にもわかりやすく、ていねいにナビゲーションします。

サボテン『コーデックス』『ハオルチア』『エケベリア』も好評発売中!

 

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アガベ(多肉植物)の植物図鑑

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