多肉植物愛好家、長沢恵美さんに聞く。<前編・初心者でも楽しめるおすすめのエケベリア>趣味の園芸9月号こぼれ話
ウェブサイト「みんなの趣味の園芸」だけで読める連載「テキストこぼれ話」。『趣味の園芸』テキストの特集内容に関連して、誌面で紹介しきれなかった情報をお届けします。
今回は、9月号の「ここからはじまる多肉植物」特集で「のんびり エケベリア道」の講師を務めた長沢恵美さんが登場。10年ほど前からエケベリアに魅せられ栽培をスタート。作出したエケベリアやオリジナルの鉢や作品は、「はっち」の名で発信しているSNSなどで話題です。
苗の交配・生産や、鉢の制作にイベント出店と、遊び心いっぱいに活動を続ける長沢さんに<初心者でも楽しめるおすすめのエケベリア>を聞きました。
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編集部(以下、編) 本誌の長沢さんの記事を見て、エケベリアに興味を持つ人も多くいらっしゃると思います。そんな方に向けて、おすすめのエケベリアを教えていただけますか。
長沢恵美(以下、長) 初心者の方向けということなので、比較的入手しやすく育てやすいものを中心にピックアップしてみました。今回おすすめするのは、「ラウリンゼ」「ザラゴーサ(サラゴサ)」「桃太郎」「ロメオ」「メキシカンジャイアント」の5種になります。
編 それぞれのおすすめポイント、教えてください。
長 「ラウリンゼ」は"粉もの"とも呼ばれる、パウダーをまとったエケベリア。涼しげなブルーが少しピンクに染まるところがチャームポイントです。じつは、私が最初に父にプレゼントしたエケベリアで、思い出深い多肉でもあります。
「ラウリンゼ」
そして「ザラゴーザ」は葉先のいわゆる"ツメ"に特徴があります。下の写真は夏の姿ですが、秋冬のキュッとしまった姿もかわいらしいです。株自体のサイズがコンパクトなので、比較的省スペースで育てられるのもポイントです。
「ザラゴーザ(サラゴサ)」
次は「桃太郎」。肉厚でコロンとしたフォルムと、赤やピンクに染まった葉先がチャームポイントです。葉ざしをしたときのベビーサイズの「桃太郎」もかわいいですよ。
「桃太郎」
それから「ロメオ」、深紅に染まった力強いツメはもちろんですが、なんといってもこの鮮やかなボディカラーが特徴です。ツメを楽しみたいときは、横からのアングルで愛でるのもおすすめです!
「ロメオ」
最後に「メキシカンジャイアント」。葉を広げたダイナミックなフォルム、パウダーをまとった美しい姿が特徴です。名前からわかる通り、うまく育てればサイズも大きくなります。大きく育ててみたい方にもおすすすめです。
「メキシカンジャイアント」
編 どれも魅力的ですね! 長沢さんのコメントを伺うと、ますます育ててみたくなります。インスタグラムでは、お父様と手がける交配種も紹介されていますね。最新の交配種も少し見せてもらえますか。
長 今まさに、ハウスで成長中の新種3つをご紹介しますね。
ストリクチフローラ×ラパス
「そった葉にヒラヒラとしたエッジと、だんだん個性が出てきました」
ラパス×沙羅姫牡丹(サラヒメボタン)
「小さくても一丁前なツメがかわいらしいです」
シムランス ラグナ サンチェス×ブルーサプライズ
「小苗のときから優しげな顔立ち。まるでお花畑のようで見ていて癒されます」
編 かわいい! エケベリアの世界がどんどん広がっていますね。
*エケベリアの写真提供は、すべて長沢さん
後編はこちら!「大人気! オリジナル鉢の秘密」について聞きました。
長沢恵美(ながさわ・えみ)
多肉植物愛好家。10年ほど前に多肉植物に出会い、なかでもエケベリアに魅せられ、苗の交配と生産をするように。作出したエケベリアやオリジナルの鉢や作品がインスタグラム(hacchi_1222)などで話題に。「38BOTANIC」の屋号でイベントでの出店を中心に販売も行い、人気を集めている。
「テキストこぼれ話」では、『趣味の園芸』テキストの特集に関連して、担当編集者による講師へのインタビューなどをウェブ限定で公開しています(毎月2回更新予定)
『趣味の園芸』2021年9月号(8/20発売)
エケベリアを育て始め、その愛らしい姿に元気やパワーをもらったという長沢さん。お父様と一緒に苗を交配したり、鉢に絵を描いて寄せ植えにしたり、楽しみ方を次々と広げています。マイペースにエケベリアと過ごす長沢さんの日々を誌上初公開します。