連載「木村流 新しいバラの方程式」第6回(2021年9月号)
日本を代表するバラ育種家・木村卓功さんが、美しさと強さを兼ね備えた次世代のバラと、その栽培について1年間にわたって紹介するテキスト連載「木村流 新しいバラの方程式」。
9月号掲載、第6回の内容をご紹介!
猛暑を乗り越えれば、四季咲き性のバラは、秋にも花が楽しめます。知っておきたいバラの習性と、秋バラを美しく咲かせる夏剪定のコツを紹介します。
強くて美しい次世代のバラ 今月の3品種
木村さんが厳選した入手しやすく育てやすいバラを、毎月3品種ずつ取り上げます。9月号で紹介した次世代のバラはこちら!
1.安定感のある赤いつるバラ「フロレンティーナ」
2.アンニュイな表情と芯の強さをあわせもつ「シュリンクス」
3.純白からアイボリーの清楚な花がたわわに咲く「トリニティ」
それぞれの魅力や栽培方法は、テキストで詳しく解説しています。
9月の講座「頂芽優勢(ちょうがゆうせい)を知る~バラの性質を利用して樹形をデザインする~」
バラは、一番高いところにある芽(頂芽)に養分が集中して、そこから出た枝(花枝)の先端に花が咲きます。この性質を利用して剪定をすれば、思いどおりの樹形で花を観賞することができます。
9月の作業「夏剪定に挑戦~秋の花をより美しく咲かせる~」
夏剪定は、必ず行わなくてはならない作業ではありません。春から花後剪定を繰り返し、樹高をじわじわと高くして、冬を迎えるのもよいでしょう。でも、秋も咲くバラは夏剪定でより美しく咲かせることができます。
大きく分けて、下の3つのタイプ別に夏剪定を行います。
・タイプ1 木立ちタイプの大輪系
・タイプ2 木立ちタイプの小輪〜中輪系
・タイプ3 半つるタイプのシュラブ
同じ品種でも、日なたと半日陰では到花日数が異なります。剪定した日と秋の花が咲いた日をメモしておき、翌年以降はそれを参考に剪定時期を調整すると、わが家に合った秋バラが楽しめます。テキストで詳しくお伝えします。
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木村卓功(きむら・たくのり)
バラ育種家。埼玉県杉戸町でバラの育種と苗木の生産、販売を手がける。四季咲き性で病気に強く、高温多湿の日本やアジアで育てやすい新品種を毎年発表。より美しく、より手軽に楽しめるバラの栽培方法も提案している。著書に『別冊NHK趣味の園芸 鉢で美しく育てるバラ』など。
★テキスト連載「木村流 新しいバラの方程式」