柏木流 剪定と誘引でもりもり咲かせる マル秘 バラ栽培
春の大型連休ごろから1月中旬まで、梅雨どきも真夏も途切れることなく、もりもりと美しい花を咲かせ続けるバラの数々。ガーデナーの柏木孝太(かしわぎ・こうた)さんが管理するバラを見た人は、誰もがその元気さとゴージャスなボリューム感に驚きます。ウメの大家、大坪孝之さんに師事し、師匠が実践するよい実を結実させる果樹栽培法に独自の方法を加えた「柏木メソッド」を生み出しました。
バラ本来のポテンシャルを最大限に引き出す、柏木メソッドの極意を紹介します。
【柏木メソッドの極意】花は我慢して、2〜3年かけて株をつくる
まず大切なのが株づくりです。光合成する葉は大切にして栄養をたっぷり株に蓄えさせましょう。丈夫な葉にするには薬剤散布もしっかり行います。開花は株にとって大きな負担になるので、蕾を摘み、適切な花数に調整します。それを続ければ株が元気になり、葉の一枚一枚が輝き、枝が太くなります。次に剪定で株姿を整え、さらに枝全体に光が当たるように誘引します。これを3〜4年続ければ、その株がもつポテンシャル(潜在能力)が最大限に発揮され、花が大きく色鮮やかになり、香りもよくなります。
2~3年はあまり花を見られませんが、大師匠にいわれたのは『バラに足音を聞かせろ、目を肥やせ』ということ。こまめに面倒を見て、観察することが大事だと教わりました。手間も時間もかかるし、しんどいかもしれませんが、手をかければかけるほどバラは応えてくれます。園芸には正解も失敗もありません。まずは手を動かしてやってみれば、やってよかったときっと思うはずです。(柏木孝太さん)
柏木メソッド育ちの株
〈Before〉11月に植えた状態。(撮影:田中雅也、撮影協力:小田原フラワーガーデン)
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〈After〉柏木メソッドで育てた苗。たった1年で、たくましい株に。枝が太くなり、株元からベーサルシュートも出ている。(撮影:田中雅也、撮影協力:小田原フラワーガーデン)
『趣味の園芸』5月号では、柏木メソッド4つの基本と、詳しい栽培方法を紹介しています。
テキスト『趣味の園芸』2022年5月号「柏木流 剪定と誘引でもりもり咲かせる! マル秘 バラ栽培」より