「銀河庭園」植栽担当に聞く〈ガーデンに咲くバラたち〉【趣味の園芸5月号こぼれ話・後編】
ウェブサイト「みんなの趣味の園芸」だけで読める連載「テキストこぼれ話」。『趣味の園芸』テキストの特集内容に関連して、誌面で紹介しきれなかった情報をお届けします。
今回は、5月号の「バラ」特集内「心も体も喜ぶ 幸せのバラめぐり」にてご紹介した北海道恵庭市・銀河庭園について、スタート時の様子や園の最新情報などを、庭園全体の植栽を手がける山口百合子さんに教えていただきました。
前編では、美しいガーデンができるまでについて伺いましたが、後編では、銀河庭園に咲くバラについて詳しくお話しいただきます。
編集部(以下、編) 銀河庭園には、650品種5000株ものバラが育てられているそうですが。創業当時からのイングリッシュローズが多いのでしょうか?
山口百合子(以下、山) はい、半分ほどは当時のものです。それに加えて、当ガーデンは北海道にありますから耐寒性があり、農薬を使わずに管理できる丈夫で美しいバラが選ばれ育てられています。
編 どんな品種が植えられているのでしょうか?
山 主な品種を挙げると、アーバーに咲く「ポールズ・ヒマラヤンムスク(テキスト39ページ掲載)」、アーチに絡まる「ルッセリアーナ(テキスト39ページ掲載)」、「メイクイーン」。そして、香りのよい品種「イスパハン」、「ジュード・ジ・オブスキュア」なども育てています。
優雅なピンク色の花を咲かせる「メイクイーン」。つる性、一季咲き。(撮影/大泉省吾)
豊かな香りも楽しめるオールドローズ「イスパハン」。つる性、一季咲き。(撮影/今井秀治 撮影協力/イングリッシュローズガーデン)
フルーツのような香りを放つイングリッシュローズ「ジュード・ジ・オブスキュア」。半つる性、四季咲き。(撮影/竹前 朗 撮影協力/イングリッシュローズガーデン)
編 香りも大切に考えられているんですね。
山 当園では、バラを使ったコンフィチュールやシロップなども作っています。なので、食用のバラも多く植えられているんですよ。
広いバラ畑に咲く「テス・オブ・ザ・ダーバービルス」。半つる性、四季咲き。(撮影/大泉省吾)
編 すてきな光景です。
山 6月に入ると、バラのつぼみが色づき初め、バラの季節への期待も高まります。6月中旬にはバラに先がけて宿根草が咲きだし、下旬には、早咲きの品種が少しずつ開花を迎えます。そこから7月のクライマックスに向かいます。
編 冬の間は、バラの木一本一本をていねいに冬囲いして雪や風から守っていると伺いました。大事に育てられたバラの開花、心待ちにしています。
<終わり>
前編はこちら!
銀河庭園(ぎんがていえん)
住所/北海道恵庭市牧場277-4
TEL/0124-34-7800(受付時間9:30~17:00)
入園料/大人(高校生以上):1,200円、小人(中学生以下):600円
*大人1名につき、小人4名まで無料。
*2022年は4月29日(金)より開園予定。
荒天などにより一時閉園になることもあります。お出かけの際は事前にご確認ください。
銀河庭園 │ エコロジーテーマガーデン えこりん村【公式サイト】
「テキストこぼれ話」では、『趣味の園芸』テキストの特集に関連して、担当編集者による講師へのインタビューなどをウェブ限定で公開しています(毎月2回更新予定)
『趣味の園芸』2022年5月号 好評発売中
「心も体も喜ぶ 幸せのバラめぐり」では、銀河庭園のバラ畑デザイナーとして、園内にバラ畑をつくり、コンフィチュールやシロップなどバラを生かした商品開発を手がける庄司トモ子(ロズビィトモコ)さんの庭づくりにかける思いや、美しいローズガーデンの風景を紹介しています。